結婚式の大切な演出のひとつに「謝辞」があります。披露宴を飾る締めのあいさつなので、しっかりと準備をしておきましょう。
そこで今回は、謝辞の基本的な構成や留意したいポイント、成功させるコツをご紹介します。何を伝えたら良いのかわからないという方は、ぜひご参考にしてください。
結婚式で行う新郎の謝辞の基本的な構成
謝辞とは、結婚式や披露宴の場で主役が出席者に対して感謝の言葉を述べるスピーチです。新郎新婦のどちらが行っても良いのですが、主に新郎が行うことが多いようです。謝辞は、結婚式の締めくくりとして重要な役割を果たし、出席者や家族への感謝の気持ちを伝えるとともに、ふたりの結婚に対する意志や今後の抱負を表現する機会です。
ここでは、謝辞の基本的な構成をご案内します。
導入
導入では、結婚式や披露宴に出席してくれたゲストに対して感謝の言葉を述べます。
「本日はご多用の中、私たちふたりのためにお集まりくださり誠にありがとうございます。このように盛大な結婚式ができたのも、ひとえに皆さまのおかげです。あらためて感謝を申し上げます」というように、ゲストにお礼を伝えましょう。このとき、ご両親にお礼の言葉を述べるのも一案です。また、結婚式をサポートしてくれたスタッフの方にもお礼を伝えるのも良いかもしれません。
本題
本題では、新郎新婦のエピソードやご両親とのエピソード、結婚生活の抱負などを述べます。
ふたりの出会いのきっかけを知らない方が多い場合は、「私たちふたりは、友人の紹介で知り合いました。交際のきっかけとなったのは、同じ◯◯を好きだったからです」というように、出会いのエピソードから結婚にいたるまでの経緯を話すのも一案です。
また、謝辞の本文でどのような家庭を築いていきたいのか、今後の抱負もご両親やゲストに伝えましょう。このとき、パートナーのご両親に感謝の気持ちと決意を伝えるのもおすすめです。
結び
結びでは、今後のご指導・ご支援のお願い、ゲストへのお礼の言葉、締めのあいさつを述べます。
「未熟なふたりではございますが、お互いに協力し合い笑顔が絶えない家庭を築いていきたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。本日は私たちの門出を祝福していただき、誠にありがとうございました」というように、最後にあらためてゲストにお礼の言葉を述べるようにしましょう。
新郎謝辞で留意したいポイント
謝辞はただお礼を述べるだけでなく、ゲストへの配慮も必要です。そこで以下では、パターン別で留意点をご案内します。
天気が悪い場合
雨や雪などの天気が悪い日は、結婚式場に行くのも大変です。そのような状況でゲストも来てくれているため、謝辞でお礼を伝えるようにしましょう。
導入、もしくは締めのあいさつで「足元が悪い中、結婚式に参加いただきありがとうございました」というように、その日の天気に合わせてメッセージを変更するのがおすすめです。
遠方から来てくれた方がいる場合
遠方から来てくれる方は移動に時間と費用がかかります。そのため、個別で感謝の気持ちを伝えることももちろん大切ですが、謝辞でも「遠方よりご出席いただき、誠にありがとうございます」と添えるようにしましょう。ゲスト一人ひとりに配慮することで、結婚式に参加して良かったと思ってもらえます。
パートナーとの出会いを語る場合
最近はインターネットで知り合って結婚に至る方も多いのですが、パートナーとの出会いを語る場合は「知り合いの紹介」や「共通の趣味を通じて」など、ゲストに理解されやすい言葉で伝えましょう。
授かり婚の場合
授かり婚で妊娠していることを知らないゲストの前でのサプライズ報告は、注意が必要です。妊娠はデリケートな話題なので、ゲストへの配慮を忘れないようにしましょう。
身内に不幸があった場合
身内に不幸があった場合、謝辞で伝えるのは避けたほうが良いかもしれません。どうしても伝えたい場合は、家族や親族に事前に確認しておくと良いでしょう。
新郎謝辞を成功させるコツ
ここでは、謝辞を成功させるコツをご紹介します。
2分程度の文章でまとめる
謝辞を述べる際は、長すぎないようにするのがポイントです。伝えたいことがたくさんあるかもしれませんが、長すぎるとゲストが途中で疲れてしまう可能性があるため、2分程度を目安に文章をまとめると良いと言われています。2分程度の文章は、600文字前後です。
どうしても長くなってしまう場合は、伝えたい内容をまずは箇条書きにしてみるのがおすすめです。その内容を中心に文章を追加してまとめると、600文字前後に仕上げやすくなるはずです。
文章が完成したら、時間を測って2分程度で読み上げられるかを確認しましょう。読み上げる際は、ゆっくり話すことを意識するのが大切です。
忌み言葉は避ける
普段使用している言葉のなかには、結婚式にふさわしくない言葉があります。これを忌み言葉と言います。忌み言葉には、例えば「離れる・別れる・悲しい・病気」などが挙げられます。これらの言葉は別れや不吉なことを連想させるため、結婚式では避けるようにしましょう。
このほか「いろいろ・くれぐれも」などの重ね言葉にも注意が必要です。重ね言葉は「同じ言葉を繰り返す=再婚」をイメージさせてしまうからです。謝辞で「いろいろありがとう」というようについ使ってしまいそうになりますが、そのような場合は「いつもありがとう」と言い換えるようにしましょう。
謝辞を文章にまとめたあとは、忌み言葉や重ね言葉がないか確認することをおすすめします。
はっきりと喋る
謝辞を読む際は、はっきりと喋ることが大切です。
人前で話すことに慣れていないと緊張し、声が小さくなってしまうかもしれません。ゲストに感謝の気持ちをしっかりと伝えるために、口を大きく開けてはっきりと喋るようにしましょう。謝辞の文章が完成したら、実際に声に出して読む練習を繰り返すのがおすすめです。
目線はゲストに向ける
謝辞を読み上げる際は、メモを準備しても問題ありません。ただし、メモだけを見ながら喋るのは避けるようにしましょう。メモばかりを見ていてはる、感謝の気持ちも伝わりにくくなる可能性があるからです。
なるべく謝辞で述べる言葉は暗記しておき、緊張して忘れたときにメモを見るようにしましょう。暗記が難しい場合は、感謝の気持ちを述べるときだけでも目線をゲストに向けるのがおすすめです。
まとめ
謝辞は、結婚式に出席してくれたゲストに感謝の気持ちを伝える大切なスピーチです。基本的な構成を意識し、自分たちらしい文章でまとめてみると良いでしょう。ただし、パートナーとの出会いを語る場合や授かり婚の場合、身内に不幸があった場合は言葉に十分気をつけなくてはいけません。また、忌み言葉や重ね言葉が含まれていないかもチェックする必要があります。
素敵な思い出に残る結婚式にするために、謝辞にもこだわることをおすすめします。
更新日時:2024.05.29