結婚式で感動するシーンのひとつに「花嫁の手紙」があります。自分を育ててくれたご両親に感謝の気持ちを伝えたくても、「どのように書けば良いのか分からない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、花嫁の手紙の作成にあたって気を付けたいことや基本的な構成、手紙を読むときのポイントなどをご紹介します。ぜひご参考にしてください。

花嫁の手紙を作成するにあたって気を付けたいこと

花嫁の手紙を作成するにあたって、以下の5つの点に気を付けましょう。

・余裕を持って早めに作成を始める

・3分前後で読み終わる文章にする

・ゲストやパートナー側のご両親にも配慮する

・NGワードを使用しない

・便箋や封筒にもこだわる

余裕を持って早めに作成を始める

結婚式の準備が始まると忙しくなり、手紙をゆっくり書く時間を取ることが難しくなります。結婚式直前になってから急いで仕上げると何を伝えたいのかが分からなくなってしまう可能性があるため、余裕を持って早めに手紙を作成するようにしましょう。

これまでの思い出を振り返るのにも時間がかかるため、早めに作成を始めて遅くとも式の1週間前には仕上がるようにするのがベストです。

3分前後で読み終わる文章にする

手紙は、3分前後で読み終わるよう文章を調整することが大切です。ご両親との思い出話を綴るとどうしても長くなってしまうことがあるかもしれませんが、結婚式の演出の時間は限られています。とはいえ、短すぎると気持ちをしっかり伝えられないことがあるので、3分前後で読み終わる文章を意識して作成するのがおすすめです。文字数は800字程度を目安にすると良いでしょう。

ゲストやパートナー側のご両親にも配慮する

花嫁の手紙では自分のご両親に対して感謝の気持ちを述べますが、聞くのは花嫁側のご両親だけではありません。そのため、ゲストやパートナー側のご両親にも配慮して手紙を作成することが大切です。手紙を読み上げる際に、ゲストへは結婚式に参列してくれたことへの感謝、パートナーのご両親へは感謝とこれからよろしくお願いします、の気持ちを併せて伝えると良いでしょう。

ゲストやパートナーのご両親へのメッセージは、手紙の書き出しと結びに含めると伝え忘れる心配がなく安心です。

NGワードを使用しない

結婚式というお祝いの席では、「忌み言葉」と呼ばれる使用を避けたほうが良いワードがあります。以下では、忌み言葉の具体例をご紹介します。

別れをイメージさせる言葉

別れをイメージさせる言葉には、終わる、分かれる、離れる、切れるなどがあります。

例えば、「新しいスタートを切る」という言葉がありますが、“切る”は結婚式の場ではふさわしくありません。そのため「新しいスタートに立つ」というように、ほかの言葉に書き換えるのがおすすめです。

不吉・不幸をイメージさせる言葉

終える、悲しい、苦しい、降りるなどは、不吉・不幸をイメージさせる言葉です。

手紙の書き出しで、「本日はお忙しいところ」と書くことがあるかもしれませんが、“忙しい”は不吉・不幸をイメージさせる言葉です。そのため、「本日はご多用のところ」と言い換えるのがベストです。

再婚をイメージさせる言葉

再婚をイメージさせる言葉には、再三、再び、戻る、のほか、たびたび、ますますなどの重ね言葉も含まれます。

手紙のなかで同じ意味を繰り返す際、「繰り返しになりますが」と書くことがあるかもしれませんが、再婚をイメージさせてしまう可能性があります。その場合は、「先ほども申し上げましたが」というようにほかの言葉に言い換えると良いでしょう。

便箋や封筒にもこだわる

花嫁の手紙は、読み終えると封筒に入れてご両親に渡すのが一般的です。娘から貰った手紙は一生の宝物になるので、便箋にもこだわるのがおすすめです。

手紙を書く便箋に決まりはありませんが、結婚式の場にふさわしいシンプルで上品なデザインを選ぶと良いかもしれません。

なお、便箋1枚に文章がおさまる場合は、白紙の便箋を後ろに重ねてから封筒に入れる必要があります。白紙を重ねる理由には1枚だと書きたい気持ちが伝わらないという意味の場合もありますが、「果たし状のような縁起が悪いとされる類の手紙が1枚だから」などの理由もあります。1枚でおさまる場合は、白紙の便箋も重ねるようにしましょう。

花嫁の手紙の基本的な構成

花嫁の手紙の基本的な構成は「書き出し」「エピソード」「今後の決意」「結び」です。

書き出し

書き出しでは、まず参列してくれたゲストに対してお礼を伝えましょう。花嫁からご両親への手紙はプライベートなやり取りと捉えられることもあるため、ご両親への内容に入る前に一言断りを入れる場合もあります。それからご両親に向けて育ててくれたお礼を伝えます。

<例文>
ご列席の皆さま、本日はご多用のところ私たちの披露宴にご列席いただきありがとうございます。
この場をお借りして、わたしを育ててくれた両親に気持ちを伝えるお時間をいただくことをどうかお許しください。お父さん、お母さん、今日まで◯年間育ててくれてありがとうございます。今日、この日を迎えられたのはお父さんとお母さんが大切に育ててくれたおかげです。

エピソード

エピソードでは、嬉しかったことや後悔・反省することなどを交えてご両親との思い出を語りましょう。ご両親の人柄が分かるエピソードを交えることで、ゲストにもご両親の人となりを伝えることができます。ご両親だけでなく、祖父母や兄弟などほかの家族とのエピソードを加えても良いでしょう。

<例文>
お父さん、私たちのためにいつもお仕事を頑張ってくれてありがとう。仕事でどんなに疲れていても週末になるといろんなところへ連れて行ってくれたよね。社会人になって、それがどんなに大変なことなのか身に染みて分かるようになりました。本当にありがとう。
お母さん、私たちのためにいつもご飯を作ってくれてありがとう。お母さんが作る料理はとてもおいしく、お弁当のときはいつも友達に自慢していました。そんなお母さんに負けないように、わたしも料理上手になれるよう頑張りたいと思います。

今後の決意

今後の決意では、パートナーとどのような人生を送っていきたいのかを伝えて、ご両親を安心させましょう。エピソードまでは涙を誘う感動的な空気になったとしても、今後の決意の部分からは未来に向かって明るく前向きな雰囲気にすることが大切です。

<例文>
これからわたしは◯◯さんとの新生活が始まります。お父さんとお母さんとはこれまでのように簡単には会えなくなり、寂しくなりますが、◯◯さんと一緒にいるので大丈夫です。安心してください。◯◯さんとふたりで、お父さんとお母さんのような仲の良い幸せな家庭を築いていきたいと思います。

結び

結びでは、パートナーのご両親やゲストに対して感謝の言葉を伝えると、より丁寧な印象の手紙に仕上げることができます。

<例文>
◯◯さんのお父さん、お母さん、私たちの結婚を許してくれてありがとうございます。まだまだ未熟で迷惑をかけることがあるかと思いますが、今後もよろしくお願いいたします。
そしてご列席の皆さま、本日はふたりの門出を見守っていただき、ありがとうございます。ふたりで力を合わせて幸せな家庭を築いていくので、これからもご指導のほどお願いいたします。

花嫁の手紙を読むときのポイント

花嫁の手紙を読むときは、以下のポイントを意識するのがおすすめです。

ゆっくりと読み上げる

手紙を読む際、緊張のあまり早口になってしまうことがあるかもしれません。しかし、早口だとご両親やゲストが聞き取れない可能性があります。そのため、手紙を読む際はゆっくり読み上げることを意識することが大切です。少しでも緊張がほぐれるように、手紙を読む前に飲み物を飲んで深呼吸し、心を落ち着かせると良いかもしれません。

視線が下がりすぎないようにする

手紙を読む際、視線が下がりすぎないようにすることも大切です。結婚式では、さまざまなシーンで写真撮影が行われます。手紙を読んでいる最中に猫背になっていると、綺麗な写真が撮れなくなることがあります。また、手紙ばかりを見ているとご両親に気持ちが伝わりにくくなってしまうこともあるでしょう。

手紙を読むときは姿勢を正し、時折ご両親とアイコンタクトを取りながら読み上げると気持ちが伝わりやすくなるかもしれません。

BGMにもこだわる

花嫁の手紙を読むときのBGMにもこだわることが大切です。

例えば、強弱の振れ幅が大きいBGMでは自分の声がかき消されてしまうことがあります。歌詞のある音楽だと、歌詞の言葉で手紙の内容が入ってこないこともあるかもしれません。手紙の内容を引き立てるためにも、そのシーンにふさわしい曲を選ぶのがおすすめです。オルゴールの曲なら、優しくゆったりとした雰囲気を出すことができるでしょう。

パートナーのご両親宛の手紙も用意しておくのも一案

自分の両親に宛てた手紙だけではなく、パートナーのご両親に宛てた手紙も用意しておくのも一案です。感謝の気持ちと「これからよろしくお願いします」の挨拶の言葉を伝えると、パートナーの家族との絆を深めるきっかけになるかもしれません。

花嫁の手紙とは別に、パートナーのご両親へは新郎新婦ふたりで手紙を用意しておくのも良いでしょう。思いがけないメッセージにパートナーのご両親もきっと喜んでくれるはずです。

花嫁の手紙と一緒に渡すと喜ばれるギフト

結婚式では、花嫁の手紙を読み終えた新郎新婦からご両親へ記念品のギフトを贈ることが定番の演出となっています。以下では、ご両親へのギフトとして人気の品をご紹介します。

花束

結婚式でのご両親へのプレゼントとして定番のアイテムに花束があります。感謝の気持ちを伝えるために、ご両親の好きな花やふさわしい花言葉を持つ花を選ぶと良いでしょう。例えば、「感謝」や「愛情」といった花言葉を持つバラ、ダリア、ガーベラ、カーネーションは特に人気です。また、結婚式のテーマカラーや季節の花を取り入れるのも一案です。

子育て感謝状

子育て感謝状は、生まれた日から結婚するまでの日数を記し、これまで育ててくれたことへの感謝を示すギフトです。写真付きのフォトフレームやフラワーボックスなど、インテリアとして長く飾りやすいデザインが多く揃っています。手元に残るギフトを贈りたいと考える方におすすめです。

ウェイトドール

ウェイトドールは、新郎新婦が生まれたときの体重と同じ重さに仕上げたぬいぐるみです。ご両親に 生まれた日の感動を思い起こさせるアイテムとして人気を集めています。定番のテディベアや人気キャラクターのほか、新郎新婦の写真を使用してセミオーダーできるサービスもあります。

まとめ

結婚式はゲストやパートナー、そしてパートナーのご両親が見守る中でご両親に感謝を伝えられる絶好の機会です。普段はなかなか伝えられないご両親への感謝の気持ちを、ぜひこの機会に手紙で伝えてみてはいかがでしょうか。

花嫁の手紙を書く際は今回ご紹介した内容を参考に、早めの準備を心掛けましょう。思いが込められた手紙なら、ご両親にもきっと感動してもらえるはずです。
てみてください。

更新日時:2025.05.30