婚約指輪や結婚指輪を着ける場合、ほとんどの人が「左手の薬指」に着用します。なぜ婚約指輪や結婚指輪を左手の薬指に着けるのか、不思議に感じたことはないでしょうか。そこで今回は、婚約指輪と結婚指輪の歴史について詳しくご紹介します。歴史の側面から、「なぜ左手の薬指に婚約指輪や結婚指輪を着けるのか」についてを深掘りします。

婚約指輪の歴史

 
プロポーズの際に婚約指輪を贈る習慣は、いつから始まったのでしょうか?
時は紀元前1世紀の古代ローマまで遡ります。
この時代は、結婚よりも婚約の方が重視されていました。婚約の儀式には必ず「鉄の輪っか」を贈るというならわしがあったとか。時代が進むにつれ、輪の素材が鉄から金に変わりました。現在の婚約指輪のようなデザインになったのは、中世初期。宝石が付いた指輪を贈るようになったのだそう。

婚約指輪といえば、きらめくダイヤモンドが主役。そのダイヤモンドにも意味が込められていて、硬さには「固い絆」、透明度の高さは「ピュアな愛」という何ともロマンティックな意味が込められているのだそうです。なお、日本では明治時代に広まったとされています。
 

結婚指輪の歴史

 
結婚指輪の歴史

結婚指輪の起源は定かではないものの、結婚指輪を交換するようになったのはキリスト教が結婚に関与するようになってからといわれています。実際に、9世紀頃には「指輪は結婚しているということの証になる」と考えられるようになり、古代ローマでは「花婿は花嫁に金の指輪を、花嫁は花婿に鉄の指輪を贈る」という風習があったようです。

13世紀頃になるとヨーロッパで結婚指輪の交換が定着しますが、日本に結婚指輪が広まるのはもう少し後になります。
日本で結婚指輪の交換が一般的になったのは、国内で西洋の文化が一気に広まった戦後以降のことです。特に昭和40年以降は、ジュエリー会社による婚約指輪や結婚指輪のキャンペーンが大々的に行われるようになり、ようやく日本でも「結婚指輪を交換する習慣」が定着しました。

 

婚約指輪と結婚指輪を左手の薬指に着ける意味

 
婚約指輪と結婚指輪を左手の薬指に着ける意味

婚約指輪と結婚指輪を薬指に着けるのにも意味があります。
諸説ありますが、有力なのは古代エジプトの言い伝えで、左手の薬指は心臓と「愛の静脈」でつながっているとされる説。薬指に婚約指輪と結婚指輪を着けることで愛のパワーが宿り、お互いの心をつなぐという役目があるそうです。
 

結婚指輪はずっと身に着けるものなのか

 
夫婦の証として交換する結婚指輪は、肌身離さず身に着けるべきものなのでしょうか。
古代ローマ時代では、結婚指輪には神聖な意味合いが強くあると考えられていたことから、結婚指輪を生涯外してはならないといわれていました。その名残は現在にも色濃く残り、結婚指輪は「夫婦の愛の証として日常的に身に着ける指輪」と認知され続けています。

シンプルなデザインの結婚指輪に人気が集まるのは、日常的に使用しやすくさまざまなシーンに合わせられ、肌身離さず身に着けやすいからといえるでしょう。
ただし、仕事の都合や金属アレルギーなどの体の不調によっては結婚指輪を着けることができない場合もあります。基本的には肌身離さず身に着ける結婚指輪ですが、その使命感にとらわれるのではなく、一生大事にできるのはもちろん、長く大切に持っておくことも意識して選ぶことが大切です。
 

最古の婚約指輪とは

 
歴史に残る最古の婚約指輪は古代エジプト時代のものといわれています。その頃、丸い形は太陽や月をかたどった完全なシンボルとして大切にされていました。継ぎ目のない指輪は「エンドレス」を意味し、その神秘的なパワーが愛する人を永遠に守ると信じられてきたそうです。
 

日本における婚約指輪と結婚指輪の歴史

 
婚約指輪と結婚指輪の歴史を世界的にみてみると、婚約指輪が贈られるようになったのは紀元前1世紀からで、結婚指輪が夫婦の証と考えられるようになったのは9世紀以降のことです。婚約指輪や結婚指輪の歴史は世界的にみるととても長いですが、日本ではそこまで歴史深いものではありません。

日本で指輪が装飾品として普及し始めたのは、西洋の文化が一気に入ってきた戦後以降のことです。その後、婚約指輪や結婚指輪が広く知られるようになったのは、明治時代に入ってからだといわれています。
明治時代にはさまざまなジュエリー会社が広告やキャンペーンを打ち出し、明治の終わりには「プロポーズの際には婚約指輪を贈る」「夫婦になったら結婚指輪を着用する」といった風習が広がり、大正時代には一般的に定着しました。

さらに昭和36年にダイヤモンドの輸入制限がなくなると、世界中から高品質のダイヤモンドを輸入することができるようになり、婚約指輪の普及がさらに進みます。その後、昭和41年に世界的なダイヤモンド供給会社である「デビアス社」が日本に上陸したことで、国内で一気に婚約指輪の風習が定着しました。
世界では紀元前1世紀頃から指輪を贈る風習がありましたが、日本における婚約指輪や結婚指輪の歴史は約100年と、世界と比べると短いのが特徴です。
 

婚約指輪のイマドキ事情

 
婚約の証として男性から贈られる 婚約指輪。ひと昔前なら、給与の3か月分をかけ特別な指輪を贈るという男性も多かったようですが、最近は給料の3か月分かけてまで婚約指輪を用意しないカップルも増えているとか。その理由には、オフィスで着けても違和感のないシンプルな婚約指輪や、結婚指輪とセットで着けられるデザインのものなど、日常使いできるデザインが豊富に展開されていることが関係しています。

また「プロポーズの際、彼が跪いて渡してくれた思い出が忘れられない」という既婚者が多いことも事実としてあります。婚約指輪を贈られる行為自体に思い入れを持っている方が多いことから、指輪自体の価格はそこまで重要ではなくなったのかもしれません。
ふたりのお気に入りの指輪を見つけて、いつまでも色褪せない愛の証として大切にしてはいかがでしょうか?
 

結婚指輪のイマドキ事情

 
前述のとおり古代ローマ時代では「結婚指輪は夫婦の証」と考えられていて、実際に「花婿は花嫁に金の指輪を贈り、花嫁は花婿に鉄の指輪を贈る」という記録も残されています。
そこで気になるのは、現代の結婚指輪事情です。古代ローマ時代には金の指輪や鉄の指輪が贈られていましたが、イマドキのカップルはどのような指輪を贈り合っているのでしょうか。
ここでは、現代のカップルに人気がある結婚指輪の特徴についてご紹介します。
 

シンプルなデザインの結婚指輪が人気

 
古代ローマ時代と同じく、現代でも肌身離さず身に着ける指輪と考えられている結婚指輪は、着け心地が良くてさまざまなシーンに合うシンプルなデザインに人気が集まっています。シンプルな結婚指輪は存在感を主張しすぎないため、職場や家庭だけではなく祝事や弔事の際にも身に着けやすいといえるでしょう。
 

ダイヤモンドをあしらった結婚指輪が人気

 
古代ローマ時代では婚約指輪にはダイヤモンドを使用し、結婚指輪にはダイヤモンドを使用しないのが一般的でした。しかし現在では結婚指輪にダイヤモンドを使用したデザインも豊富で、より気軽にダイヤモンドの輝きを楽しめるようになりました。

また、現在は婚約指輪を贈らないというカップルも珍しくなく、婚約指輪を用意しない代わりにダイヤモンドがあしらわれている結婚指輪を選ぶ人も増えています。
 

素材は「プラチナ」「ゴールド」が人気

 
結婚指輪の素材といえば耐久性が強く変色や変形にも強い「プラチナ」が定番ですが、最近では「イエローゴールド」「ピンクゴールド」などのカラーゴールドも人気です。カラーゴールドは色によってさまざまな雰囲気を演出できるため、とくにこだわりの強い人から注目を集めています。
 

婚約指輪と結婚指輪の重ね着けが一般的に

 
古代ローマ時代では、プロポーズの際に贈るのが婚約指輪、夫婦の証として肌身離さず身に着けるのが結婚指輪と認知されていましたが、現在ではより柔軟性のある考え方にシフトしています。
昔は、特別な日に着用する指輪と考えられることが多かった婚約指輪ですが、現在は「せっかくもらった婚約指輪をタンスにしまったままにしておくのはもったいない」という考えから、婚約指輪も結婚指輪と同様に日常使いをする人が増えています。

また、婚約指輪と結婚指輪の重ね着けの需要が増えたことから、ジュエリーショップでははじめから2つ一緒にされた「セットリング」も数多く取り揃えられています。
 

まとめ

 
婚約指輪と結婚指輪の歴史は世界的にみるととても古いですが、日本では100年程度とそれほど長いものではありません。しかし内容は濃く、古くから特別なものとして親しまれてきました。また、婚約指輪や結婚指輪を左の薬指に着けることにも、「左手は心臓とつながっている」という深い意味があります。このような言い伝えや歴史を知ると、よりふたりにとって大事なものだと感じられますね。

昔から「婚約指輪は特別な日に」「結婚指輪は日常使いに」と着用方法が分かれていましたが、近年では日常的に婚約指輪と結婚指輪を重ね着けする着用方法も増えています。多くのショップでセットリングを取り扱っているため、婚約指輪と結婚指輪の組み合わせを楽しんでみるのもおすすめです。
 
ラザール ダイヤモンドの結婚指輪のデザイン一覧はこちらをご覧ください。
ラザール ダイヤモンドの婚約指輪のデザイン一覧はこちらをご覧ください。

更新日時:2020.12.09