素敵なプロポーズは一生の宝物となり、その後の結婚生活を支えていれる思い出ともなります。失敗したくない一大イベントだからこそ、プロポーズのタイミングやプランに悩む方は少なくありません。そこでこの記事では、プロポーズに適したタイミングや必要な準備、当日の流れなど、先輩カップルたちの事例も含めた参考情報を幅広く解説します。

プロポーズまでの交際期間

交際を始めてからプロポーズをするまでの期間は、どのくらいが適切なのでしょうか。これはカップルによって大きく異なります。知人や友人だった期間が長い場合、最初から結婚を意識して相手を探している場合、電撃的な直感が働いた場合などは、交際の申し込みと同時にプロポーズをする人もいます。

一方でじっくり3〜5年程度、中には10年近く交際してからプロポーズをする人もいます。特に学生時代からのカップルなどの場合は、二人で生きていく意思は固まっているものの、「状況が整ってから結婚を」と考えるケースが多いようです。

20代後半以降など、結婚を意識する年齢や社会人になって知り合ったカップルの場合は、交際半年から2年程度でプロポーズを考えるケースが多いようです。片方または双方に「30歳くらいまでに」「早く子どもを持ちたい」といった希望があり、それに向けての計画を進めるカップルもいます。

ただし、「この相手とやっていけそうだ」と決めるために必要な期間は、人それぞれで大きく異なるのも事実。「春夏秋冬を一緒に過ごしてみてから決めたい」と、1年の交際を目安にする人も。「これくらいが適切」という一般論はないので、自分たちの状況や関係性、価値観に応じて検討するといいでしょう。

プロポーズのキッカケや決めたタイミング

結婚の意思を固める時期はカップルによって異なりますが、実際には、どんなタイミングで結婚を決めている人が多いのでしょうか。2019年度に行われた「プロポーズ意識調査」のデータ(※1)をもとに見ていきましょう。

・気持ちが固まったから
プロポーズのきっかけを尋ねた設問で多かった回答が、「一生一緒にいたいと思ったから」(55.4%)。「この人となら」という気持ちが固まったからプロポーズをした、ということですね。

楽しいだけの恋愛とは異なり、「人生を共にできそうだ」と思える相手は、そうたくさんはいないもの。現実的に生活を一緒にやっていけそうか、お互いの良い面も悪い面も許容しあい、支えあっていけるかなど、交際の中で確信を持つことができ、その相手との家族になるイメージが持てたときに、決意を固める人は少なくないようです。

中には、自分が弱っているとき、ピンチのときに支えてもらったことが、結婚の決意につながるケースもあるようです。

・交際の節目や適齢期を迎えたから
「年齢の節目を迎えたから」(28.4%) 「時事的な節目が来たから(交際●年、元号変更、ゾロ目イヤーなど)」(19.5%)と、節目を意識した回答も多く挙がっています。

最新データによれば(※2)、結婚の平均年齢は男性が30歳、女性が28.4歳。10年間のデータを見ても、この値に大きな変化はありません。晩婚化や多様化も進んでいますが、30歳は一般的に、仕事でもそれなりに安定してくる年齢。平均で見れば、男女ともに30歳前後がひとつの結婚の目安年齢となっている、と言えそうです。

また交際1年、2年などキリのいい節目で心を決める人も。「令和」に元号が変わったタイミングでも、それをきっかけに入籍をしたカップルが一定数いました。キリのいいタイミングであることも、新しい人生を決心させる後押しになるようです。

・仕事が軌道に乗ってきたから
「自分の覚悟を伝えたいと思ったから」(24.2%)、「給料が上がったから、昇進したから」(6.3%)など、男性側の仕事や決意に関する回答も挙がっています。

共働き家庭も増えている昨今ですが、とはいえ「今の自分なら家庭を築いていけるだろう」と自信を持てる状態になってからプロポーズしたい、という男性は決して少なくないもの。覚悟を決めるにあたって、昇進や給料アップがきっかけになるケースも少なくないようです。

・子どもを授かったから
「子どもを授かったから」(11.5%)という回答も1割を超えており、子どもを授かったことがプロポーズのきっかけとなるケースも一定数あるようです。

結婚するつもりはあるものの決断できずにいるうちに妊娠が発覚した、というケースもあれば、なんとなく交際を続けていたカップルでも妊娠を機に、具体的な結婚話が進み始めることも。あまりカタチにこだわらないカップルの場合、「子どもを授かったら結婚しようと話していた」というケースもあるようです。

・周りのみんなが結婚し始めたから
「周りのみんなが結婚したから・されたから」(7.6%)という回答も。地域によっても異なりますが、一般的には20代後半あたりから結婚ラッシュが始まります。社内の同期や同級生の結婚のニュースが、あちこちから飛び込むようになり、結婚式にも参列する機会が増えるなかで、結婚したい気持ちが高まる人も少ない様子。元々は結婚を考えていなかった人でも、「もうそんな年齢なのだな」と意識させられ、「自分たちもそろそろかな」とプロポーズを考え始める人も一定数いるようです。

(※1) 「2019年度プロポーズ意識調査」(直近1年以内にプロポーズまたは入籍した男女516名対象、2019年4月アイプリモ調査)

(※2) 「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」

プロポーズをするタイミング

プロポーズをすることを決めたら、次に考え始めるのは「具体的なタイミングをいつにするか」ですよね。ここからはプロポーズ向きのタイミングと、できれば避けたいタイミングの両方をご紹介していきます。

<プロポーズに人気のタイミングは?>

・二人の記念日(28.7%)
2018年度の「プロポーズ意識調査」のデータ(※3)によれば、プロポーズをされたタイミングとして最も多かったのは、二人の記念日でした。

出会った日、初デートをした日、告白をした日、交際を始めた日や復縁をした日など、カップルにはそれぞれ、結婚に至るまでのドラマがあるもの。お互いにとって特に思い出深い日があれば、その日をプロポーズのタイミングに選んでみるのもおすすめです。

プロポーズによって、よりその日が特別なものとなりますし、結婚後も年に一度、恋人時代を思い出せる大切な1日としていくことができるでしょう。

・特にない、日常の流れで(20.8%)
一方、何でもない日にプロポーズをする人も一定数います。かしこまった演出をするよりも、「一緒に過ごすなかでふと結婚を申し込む」ような自然なプロポーズが好ましいし、自分たちらしい、と感じる人もきっといるはず。

あえて日を決めず、家で一緒にくつろいでいる瞬間、ご飯を食べている瞬間など、二人でいる幸せを実感できた瞬間にプロポーズをするのも一案です。

・パートナーの誕生日(16.8%)
男性はあまり意識していない人も多いですが、女性は誕生日に重きを置く人が少なくありません。年齢を重ねることで、結婚願望が強まる女性も多いですし、男性側としてもプロポーズしやすいタイミングと言えるでしょう。

なんでもない日のデートで高級レストランを予約すれば、勘付かれてしまう可能性もありますが、誕生日ならばサプライズにも最適。気兼ねなくお祝いがしやすいタイミングなので、誕生日ディナーに見せかけて、プロポーズをする、といった演出も可能です。

誕生日のプロポーズであれば、結婚後何十年経っても絶対に忘れる心配がありません。ただし中には「誕生日とまとめてお祝いをするより、新しい結婚記念日を作りたい」と考える人もいるので、そのあたりの意向は探っておけると安心かもしれません。

・クリスマスやバレンタインなど季節のイベント(16.6%)
街中がキラキラとした雰囲気に包まれるクリスマスやバレンタインなども、プロポーズに人気のタイミングです。イルミネーションで彩られている場所も多く、外を歩いているだけでもロマンチックな雰囲気になりやすいですし、冬の寒さもあって、二人でいられることの温かさや幸福感が身に染みて感じられることも、プロポーズに適した季節と言えそうです。

誕生日と同様、クリスマスやバレンタインのデートは着飾ったり、高級レストランを予約したりしても不自然にならないメリットもあります。ただしイベント時は予約も埋まりやすいので、人気のレストランなどを狙う場合は早めに計画しておけるといいでしょう。

プロポーズを避けたいタイミング>

・環境変化があり、精神的な余裕がなさそうなとき
新卒で入社をしたタイミングや転職、異動まもない時期などは、精神的に余裕がなくなる方も少なくありません。そんなときにプロポーズを受けると、「なぜ今なの?」「ちょっと今は考えられない」といった反応をされる可能性も。新しい環境に慣れるまではあまり急がず、二人の絆を深めることに専念するのがおすすめです。

・親しい人や身内に不幸があったとき
親しい人やペットなどに不幸があったタイミングも、「今じゃなくても」と受け取られてしまう可能性があります。プロポーズは、やはり存分に幸せな気持ちになれるタイミングのほうがベター。喪が明けてからにしたほうが、喜んで受け止めてもらいやすいと思います。

・相手が苦手なイベントのとき
イベントに対する意識は、個人差がとても大きいです。たとえば「ハロウィンの盛り上がりが理解できない」といった価値観の相手の場合、そのタイミングでプロポーズをすれば、「なぜわざわざ今日にしたの?」と感じられてしまう可能性も。できるだけ相手の好みや価値観は踏まえた上で、喜びそうなタイミングを狙うのがおすすめです。

(※3) 「2018年度プロポーズ意識調査」(直近1年以内にプロポーズまたは入籍した20~30代の男女500名対象、2018年6月アイプリモ調査)

プロポーズの準備と流れ

プロポーズをするタイミングを決めたら、次は当日の具体的な計画に取り掛かりましょう。思い出に残る1日にしたいならば、お店の予約や婚約指輪の用意などは早めに動いておく必要があります。「どんなプロポーズなら喜んでもらえるかな」とイメージしながら、必要な準備を行なっていきましょう。

当日のプラン(場所や時間帯)を考える

最新の調査(※4)によれば、実際にプロポーズをした(された)場所としては、以下のような回答が挙がっています。
1) 「自宅もしくは相手の家」(29.8%)
2) 「レストランなど飲食店」(20.0%)
3) 「夜景スポット(16.7%)」
4) 「二人の思い出の場所」(9.1%)
5) 「旅行中」(7.7%)
6) 「公園」(4.4%)
7) 「海辺・川辺」(4.4%)
8) 「テーマパーク」(4.2%)
9) 「その他」(3.7%)

続いて、「プロポーズが必要・あったほうがいい」と考える人に対して、理想のプロポーズシチュエーションを尋ねた質問では、以下のようになっています。
1) 「二人の思い出の場所」(24.4%)
2) 「夜景スポット」(20.6%)
3) 「レストランなど飲食店」(19.7%)
4) 「自宅もしくは相手の家」(12.2%)
5) 「旅行中」(3.8%)
6) 「テーマパーク」(3.8%)
7) 「海辺・川辺」(3.6%)
8) 「公園」(3.4%)
9) 「その他」(1.9%)
10) 「特にない」(6.7%)

実際にプロポーズが行われた割合よりも人気があるのは、「二人の思い出の場所」や「夜景スポット」。一方、「自宅もしくは相手の家」は実際の数よりも理想とする人が少ない傾向が見て取れます。「外に行くのが面倒だからと家でいいや」といったネガティブな選択をしてしまうと、相手に満足してもらえない可能性も。こうした情報も参考にしつつ、相手が喜びそうなこと、自分がしてあげたいことの両方を考えながら検討してみるとよさそうです。

また高級レストランや夜景の見えるホテルを予約したり、旅行先であれば観光地を調べたり、ドライブデートであれば場所やルートを調べたりと、前もっての準備は抜かりなく行っておきましょう。家でプロポーズをする場合でも飾り付ける、ディナーを作ってあげる、指輪や花束を用意するなど、いろいろな計画ができます。

(※4) 「2021年度プロポーズ意識調査」(直近1年以内にプロポーズまたは入籍した男女543名対象、2021年3月アイプリモ調査)

婚約指輪を準備する

プロポーズの際の定番の贈り物といえば、婚約指輪。上述の調査でも、「プロポーズにあたって婚約指輪は必要だと思いますか?」という質問に対し、「必要」「まあ必要」と答えた人は71.1%と、かなり多数を占めています。「もらえると思っていたのに、何もなかった」とがっかりさせてしまうことを避けたい場合は、用意しておくと間違いがなさそうです。

婚約指輪は既製品であれば、当日に持ち帰ることができるものもあります。ただし、選べるデザインには限りがありますし、ダイヤモンドのサイズを変えたり、指輪のサイズを調整したり、刻印を入れたりしたい場合は、注文から受け取りまでに最低1〜2週間はかかります。

さらにこだわりたい場合は、オーダーメイドで作れる指輪もあります。一部をデザインする場合は1〜2ヶ月、ゼロからすべてをデザインする場合は3〜6ヶ月程度かかるものもあります。趣向を凝らしたオリジナルの指輪を贈りたい場合は、スケジュールを逆算して準備に取り掛かりましょう。

プロのアドバイスが欲しい場合は、ブライダルジュエリーのブランドやショップで選ぶと安心です。彼女の写真を見せたりファッションや好みを伝えたりすれば、相手が気に入りそうなデザインを勧めてくれますし、後からサイズの微調整に応じてくれるところも多いので安心です。

「相手が一番気に入るデザインを贈りたい」という場合は、先にダイヤモンドのみを購入してプロポーズをし、後から店舗にデザインを選びにいく、といったサービスを用意しているブランドやショップもあるので、検討してみるといいでしょう。

当日は落ち着いて伝えよう

プロポーズをするタイミングやプランを決め、準備を行なったら、あとは当日のみ。どんな言葉で伝えるかは、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

当日は交通事情などで、予想外のことが起こる可能性もゼロではありませんが、仮に計画どおりにならなかったことがあっても、一番大切なのは真剣な思いと誠意が伝えること。ともに人生を歩んでいきたい思いを、しっかりとストレートに伝えていきましょう。

まとめ

以上、プロポーズをする理想的なタイミングやシチュエーションについてご紹介しました。プロポーズをした側もされた側も、人生で一番と言っていいほど幸せな気持ちに満たされる、そんな瞬間にできると最高ですよね。十分に検討と準備を重ねた上で、実行に移していきましょう。