花束はプロポーズの際、婚約指輪とともに贈られることが多い定番の贈り物。しかし普段あまり花に馴染みがない方にとっては、「どんな花が喜ばれるのだろう?」「当日スマートに花束を渡すには?」といった点で悩まれる方も少なくないかと思います。そこで本記事では、プロポーズに選ばれる花の種類や本数、渡し方など注意点も含めて詳しく解説します。

プロポーズに花束を渡す理由

そもそも、なぜプロポーズの際には花束が贈られるのでしょうか。理由はシンプルで、花束だけでロマンチックな雰囲気を演出でき、女性を喜ばせることができるから。いつもと変わらないシチュエーションでも、花束があるだけで普段とは違う特別感を出すことができます。花束は自宅に持ち帰ってからも美しい存在感を放つため、プロポーズの余韻に長く浸れるのも大きなメリットです。

また最近は、「彼女の好みのものを贈りたい」という理由から、プロポーズをした後に婚約指輪を一緒に買いに行くカップルもいます。婚約指輪を後回しにした場合でも、花束を用意しておけば手持ちぶさたにならず、プロポーズの真剣度や思いを伝えることができやすい、そんなメリットもあります。

指輪は高価なので検討にもそれなりに時間を要しますが、急にプロポーズを思い立った場合でも、花束であれば手軽に用意しやすいですよね。一生の思い出としてしっかりと心に残るプロポーズをしたい場合は、花束の準備を検討してみると良いと思います。

プロポーズの花束選びのポイント

花束を贈ることを決めたら、次に考えたいのは花の種類です。ここからは、おすすめの花束の種類をご紹介します。

<プロポーズの王道は、バラの花束>

プロポーズの王道といえば、やはりバラの花束。バラだけの花束は特別な人にしか贈らないイメージもありますし、愛や情熱を象徴するような「赤いバラの花束」は、特にプロポーズのシーンにぴったりです。

バラは婚約指輪と同様、紀元前から存在するという説もあります。西洋の花というイメージがありますが、『万葉集』で詠まれるなど、古くから日本の人々にも愛されてきた花になります。

バラは色によっても花言葉が大きく異なるので、自分が伝えたい思いやパートナーのイメージに合わせて色を検討してみるのも一案です。

<色別・バラの花言葉>

・赤いバラ……「あなたを愛しています」「愛情」「熱烈な恋」「美」「情熱」
・ピンクのバラ……「しとやか」「上品」「かわいい人」「感銘」
・白のバラ……「純潔」「深い尊敬」「私はあなたにふさわしい」
・オレンジ色のバラ……「絆」「信頼」「無邪気」「魅惑」
・青のバラ……「奇跡」「夢かなう」「神の祝福」
・紫のバラ……「気品」「尊敬」「誇り」
・黒いバラ……「あなたは私のもの」「永遠不滅の愛」

<プロポーズにおすすめのバラの本数>

また、バラは本数によっても花言葉が変わります。自分の気持ちにぴったりの本数の花束を贈ってみるのも素敵ですね。

特にプロポーズに人気の本数は?

・108本……「結婚してください」

ストレートなプロポーズの花言葉を持つことに加え、108は「とわ」とも読むことができ、永遠に愛を誓う、という意味合いを込められることからも人気の本数です。

・12本……「私の妻になってください」

12本のバラはダズンローズと呼ばれ、それぞれに「感謝・誠実・幸福・信頼・希望・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠」の意味を込められます。「12本のバラを恋人に贈ると幸せになれる」というジンクスも。12/12は「ダズンローズデー」とも言われ、12月にプロポーズをする際には特におすすめです。

上記以外の本数別・花言葉

1本……一目惚れ、私にはあなただけです
3本……告白、愛しています
4本……死ぬまで気持ちは変わりません
9本……いつも一緒にいてください
11本……最愛、あなたは私の宝物です
21本……あなただけに尽くします
24本……一日中あなたを想っています
40本……真実の愛を誓います
44本……変わらない愛を信じます
99本……永遠の愛
100本……100%の愛を贈ります
101本……これ以上ないほど愛しています
999本……何度生まれ変わってもあなたを愛します

本数が少なすぎると見栄えに欠け、本数が多くなりすぎると持ち運ぶ際にかさばってしまう、という懸念点があります。車や部屋で渡す場合は問題ないですが、手持ちで花束を持参する場合は、24〜44本あたりが見栄えもよく、贈りやすい本数と言えるかもしれません。

そのほか、2人の記念日や誕生日など、2人にとって意味のある本数の花束を贈るのもおすすめです。

<バラ以外のおすすめの花は?>

バラの花束が定番とはいえ、「自分たちの雰囲気や個性には合わない」「違う花の種類も検討したい」という方もいることと思います。パートナーが好きな花や誕生花などを選ぶのも一案ですし、二人の思い出に関連する花や本数を選ぶことで、より心に残るプロポーズを演出できます。以下のような花もおすすめです。

・ブルースター

星のような小花が愛らしく、「信じあう心」「幸福な愛」といった花言葉を持つブルースター。青いものを4つ用意すると幸せになれるという「サムシングブルー」の言い伝えから、結婚式のブーケなどにもよく使われる花になります。

・ガーベラ

ビビットな色合いで、華やかな存在感を放つガーベラ。赤であれば「情熱」「燃える神秘の愛」、ピンクであれば「熱愛」といった花言葉があります。長持ちしやすい点も、花束として人気の理由です。

・ひまわり

夏にプロポーズをする場合や夏生まれのパートナーの場合は、大輪の向日葵を贈るのも一案です。「あなただけを見つめている」という花言葉も、プロポーズにぴったりですね。

<プロポーズにはやめておいた方がよい花は?>

花の中にはネガティブな花言葉を持っているものもあり、以下のような花の種類は、プロポーズとしては縁起が悪いかもしれません。

・黄色いバラ

「友愛」「愛の告白」「献身」という花言葉のほか、「嫉妬」「不貞」「薄らぐ愛」といった花言葉も持っています。

・チューリップ(黄色・白)

黄色のチューリップは「報われぬ恋」、白色のチューリップは「失われた恋」という花言葉があります。

・マリーゴールド

人気歌手の歌のタイトルにもなっていますが、「絶望」という花言葉を持っています。

<形に残したいなら、プリザーブドフラワーも>

最近は、半永久的に形に残せる「プリザーブドフラワー」もたくさん登場しています。見栄えだけで言えば、生花の花束の華やかさにはかないませんが、思い出を大切にしたい女性には喜ばれる可能性が大。「個性あるものを贈りたい」といった場合も、趣向を凝らしたフラワーギフトを贈ることも検討してみるといいかもしれません。

<花束の価格相場は?>

花束の価格相場は、本数を検討する上でも知っておきたいポイントです。花の値段は時価になり、季節やクオリティによって大きく異なります。入学式や歓送迎会の季節などは、価格が上がる傾向があります。

安価なものでは1本100円前後のバラもありますが、見栄えや花の保ちを重視するならば、1本200〜500円程度あたりの品質のものを検討してみるといいでしょう。花束の本数では、以下くらいが目安となります。

・12本……4〜6千円
・30本……1〜1.5万円
・50本……1.5〜3万円
・108本……2~6万円

具体的な本数にこだわらない場合は、あらかじめお店に予算を伝え、その範囲内で花束を作ってもらう方法もおすすめです。

<花束を買うベストなタイミングは?>

花は時間が経つとしおれてしまうので、プロポーズ当日に受け取れるよう手配する必要があります。特に夏は傷みが早いので、注意が必要です。事前に予約しておき、待ち合わせ場所に向かう直前に受け取れるようにしておけるとベストです。

ただし、プロポーズプランやタイミングによっては、どうしても当日に受け取れない、というケースもあるでしょう。その場合はまず、お店に相談してみてください。宅配やアレンジ方法などで柔軟な対応を提案してくれるところもあります。前日に購入する場合は傷みにくく、枯れにくい花の種類を選ぶのも一案です。

花束の渡し方とタイミング

素敵なプロポーズを演出するならば、花束をどんなタイミングで、どんなふうに渡すかも重要ですよね。ここからは花束の渡し方やタイミングについてご紹介します。

<渡すタイミングは、言葉を伝える直前がベスト!>

花束はいよいよプロポーズの言葉を伝える、その直前に渡すのが一番おすすめです。花束を渡されると、相手は「今日は何かあるのかな?」とプロポーズを予感させ、ドキドキし始めるはず。しかしプロポーズの言葉がないまま時間が過ぎていけば、「今日は違うのかな」と徐々にテンションが落ちていってしまう可能性も。プロポーズのプランにもよるので、絶対ではありませんが、花束を受け取った瞬間のドキドキが消えないうちに言葉を伝えるのがおすすめです。

<定番のシチュエーション>

ここでは、最もポピュラーな3つのシチュエーションでの渡し方をご紹介します。

・レストランで食後に

「ちょっと特別なレストランで食事をした後に、プロポーズをする」のは、今も昔も王道のシチュエーション。夫婦になってからは結婚記念日に毎年訪れる、といった楽しみ方ができるのも、レストランプロポーズの魅力です。

花束は少し早めに到着してお店の方に預けておき、「デザートが出る前のタイミングで持ってきてほしい」といったお願いをしておけば、おいしい料理で満たされた後、素敵なプロポーズの瞬間を演出することができるでしょう。予約時にプロポーズの予定を伝えておくと、気の利いた演出をしてくれるお店も少なくありません。

・ホテルで過ごす夜に

リゾートホテルやシティホテルなども、二人きりのロマンチックな時間を過ごせる点でプロポーズには人気のシチュエーションです。部屋に花束を用意しておいてもらえば、部屋に入った瞬間に彼女を驚かせることもできますし、先にフロントに預けておき、しばらく部屋で過ごした後、ホテルマンの方にサプライズで持ってきてもらうのも一案です。

・家でサプライズ

「あまり気張らず、家でプロポーズしたい」という方もいるでしょう。家の場合、相手が帰宅した瞬間に膝まずいて花束を渡す……なんてプロポーズもできますし、花束を隠しておいて、二人でリラックスしている瞬間にサプライズで渡してプロポーズする、といったシンプルなプランもおすすめです。

プロポーズの花束を贈る際の懸念点と対策

プロポーズで花束を贈る場合、「持ち運びでかさばってしまう」「花が傷んでしまう」「希望する花束の手配が間に合わない」といった点には注意が必要です。対策方法についてご紹介します。

(対策1)あらかじめ預かってもらう

保管の手間をかけず、鮮度の良い状態で花束を渡したいならば、最もおすすめなのは「周囲の力を借りる」こと。前項でも紹介したように、ホテルやレストランなどの場合は、花束を預かってくれるところが少なくありません。それなりのクラスのホテルやレストランであれば、プロポーズのサポートに慣れているスタッフも多いので、事前の段取りを伝えておけば、安心してプロポーズの段取りに専念できます。

(対策2)直前にピックアップする

花束はできるだけ、デートの直前に受け取れるよう手配しておきましょう。プロポーズ予定の場所の近くの花屋さんを探して注文しておき、直前にピックアップする、といった方法もあります。「花束を持って電車に乗るのが恥ずかしい」といった方にも、この方法はおすすめです。

終日のデートなどの場合は、プロポーズの前にちょっと抜けて受け取ってくる……なんてやり方もあります。できるだけ、ギリギリ直前に受け取れる方法を検討してみるといいでしょう。

(対策3)日が当たらない涼しい部屋で保管する

家や屋外でプロポーズをする場合は、家の中やクルマの中に一定時間、隠しておく必要があります。クルマのトランクに入れておく場合は花束を寝かせず、花が上向きになるように立てた状態で運べるようにしましょう。

電車で移動する場合は「早めに集合場所に向かい、コインロッカーに預けておく」といった方法もありますが、あまり条件のいい保管場所ではないので、長時間にならないようにしましょう。

自宅の場合は、クローゼットや普段使わない部屋が保管部屋の候補になるでしょう。ただし夏に空調が効いていない部屋に長く置いておくと、花の鮮度が落ちてしまう可能性があります。できるだけ日光が当たらない涼しい部屋を選びましょう。

(対策4)時間指定で宅配してもらう

同棲をしているカップルやワンルームマンションなどの場合、「家の中に隠しておくと見つかってしまう」という懸念がある方もいることでしょう。その場合、宅配便の時間指定で届くように手配しておき、受け取ったらプロポーズを始めるのも一案です。

(対策5)なるべく早めに手配する

花屋さんには最初から花束として売られているものもありますし、通常時であれば、お店の人にお任せで花束を作ってもらうことも多いですよね。

ただプロポーズの場合は、花の種類やクオリティ、本数にもこだわりたい方も多いはず。直前の注文になると「希望の花が用意できない」ということもあり得るので、心配な方は早めに注文しておくのがベストです。お店によっても異なりますが、目安としては1週間前くらいに注文を済ませておくと、確実に希望の花束を用意してもらえるかと思います。

まとめ

プロポーズは、一生に一度の出来事。結婚のうかがいを立てる大切な機会なので、愛情や誠意をしっかりと伝えるためにも、花束や指輪などの贈り物は準備したいところ。二人に似合うすてきな花束を用意して、人生の大切なシーンを彩ってみてはいかがでしょうか。

更新日時:2021.11.30