結婚を機に購入されるブライダルリングといえば、婚約指輪と結婚指輪。昔は「結婚したら、婚約指輪は大切にしまっておく」という人がいましたが、近年は2つの指輪を同じ指に重ねて着用する「重ね着け」のアレンジを楽しむ女性が増えています。本記事では重ね着けの魅力や注意点、活用シーンや選び方のポイントに至るまで、幅広くご紹介します。

婚約指輪と結婚指輪の重ね着けが持つ意味

婚約指輪と結婚指輪は、どちらも「ブライダルリング」と呼ばれる指輪ですが、それぞれに込められる意味合いや役割は異なるものです。

<婚約指輪(エンゲージリング)>

古代ローマ時代から「愛の契約」の意味を込めて用いられてきた婚約指輪。現代ではプロポーズの際、結婚を申し込みしたい気持ちを込めて贈られるもので、女性側のみが着用する指輪になります。

センターダイヤモンドが立体的に輝くソリティアといったデザインや、石畳のようにダイヤモンドが散りばめられたパヴェなど、華やかなデザインが多いのが特徴で、そのままの形で、あるいはリメイクする形で子どもや孫に受け継がれることも多い指輪です。

<結婚指輪(マリッジリング)>

一方、「永遠の愛」の意味を込めて、結婚式の儀式で誓いとともに交換されるのが結婚指輪。こちらは、夫婦双方で着用します。

常時身に付けることを前提とされているため、日常使いできるよう、凸凹が少ないフラットなデザインや、TPOを問わないシンプルなデザインを選ぶ人が多いです。夫婦それぞれでデザインが違っていても問題はありませんが、質感や宝石、刻印などでなんらかの共通点をもたせるケースが少なくありません。

<重ね着けで、「永遠の愛をロックする」>

それぞれの指輪が持つ意味合いから、2つの指輪を重ね着けすると、「ふたりの永遠の愛を、契約によってロックする(封じ込める)」といった意味を込めることができます。

婚約指輪と結婚指輪の重ね着けのやり方

重ね着けをする順番は、薬指に結婚指輪を先にはめ、その上から婚約指輪を重ねるのが正式な形とされています。これによって上述したような、「愛の誓いを、結婚という契約によってロックする」という意味合いが果たされます。

とはいえ、「常に、絶対にこの順番で着用すべき」という決まりがあるわけではありません。デザインやファッションとして楽しむ場合には、好きな指や順番で着用してOKです。ただ上記のようなロマンチックな意味があることから、結婚式などのフォーマルな場面では、正式な順番で着用するのが一般的となっています。

婚約指輪と結婚指輪の重ね着けが映えるシチュエーション

最新のデータ(※1)によれば、婚約指輪の購入を決めたポイントとして、「重ね着けがしたいから購入した」を挙げている人は、22.5%(複数回答)。結婚指輪を決定する際に重視したポイントでも、「重ね着けができるデザインであること」を挙げている人は30.9%おり(複数回答)、重ね着けを前提に指輪を選んでいる人も一定割合いることが分かります。

では2つの指輪の重ね着けは、どのようなシーンで活用されているのでしょうか。職場やちょっとした外出で日常的に着用している人もいれば、冠婚葬祭やおめかしして出かける際に着用する、という人も。ここでは結婚後、重ね着けがどのようなシーンで楽しまれているか、具体的な例を挙げてご紹介します。

(※1)「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」

●友人や知人の結婚式

結婚指輪は落ち着いたシンプルなデザインが選ばれることが多いですが、婚約指輪はそれよりも華やかなデザインのものが選ばれるのが一般的です。そのため婚約指輪と結婚指輪を重ね着けすると、結婚指輪単体よりもぐっと華やかになり、結婚式やパーティーなどの場に着用する人は少なくありません。ドレスアップしたファッションにもよく似合いますし、「ジュエリーの輝きでファッションを引き立てたい」という期待に応えてくれます。

● 女子会

重ね着けは、華やかでファッショナブルな雰囲気が出せるので、おしゃれなカフェやレストランを好む女性同士の集いにもぴったり。仲の良い友人と、自分の好きなファッションをして楽しみたい!というときに、活用するのも良さそうですね。

● 結婚記念日・パートナーとのお出かけ

一方、「結婚記念日やパートナーとのデートの際に着用する」という人も。格式あるホテルやレストランでのディナー、クラシックのコンサート、観劇など、結婚後もパートナーとちょっとおめかしして出かけるタイミングはありますよね。華やかな重ね着けは、そうした際のファッションを引き立ててくれます。婚約指輪は結婚前の恋人時代を思い出させてくれるアイテムでもあるので、日常の生活と離れ、ロマンチックな気分になることにもひと役買ってくれることでしょう。

●子どもの入学式や家族のイベント

子どもが生まれると、お祝いごとや家族のイベントが増えるもの。誕生日パーティーや七五三、入学式、卒業式など定期的にフォーマルなイベントもあります。普段よりもきちんと装い、また写真や動画にも残るような場面では、ジュエリーをそれなりのものを身に着けておきたいですよね。婚約指輪と結婚指輪の重ね着けは、そんなシーンにもぴったりです。

●親族の集まり

婚約指輪を着用することは、「贈られたものを大切にしている」「夫婦で仲良くやっている」ということのアピールにもつながります。そのため、家族や親戚の集まりの際に重ね着けをする、という人も。家事などを手伝う際には向きませんが、外での食事会などの機会に、夫婦にとって意味のあるジュエリーを身に着けることは、好感度にもつながることでしょう。

婚約指輪と結婚指輪の重ね着けによるメリット・デメリット

続いて、婚約指輪と結婚指輪の重ね着けには、どのような魅力(メリット)と注意点(デメリット)があるのかについてご紹介します。

<重ね着けをする魅力(メリット)>

①ファッション性や華やかさが増す

指輪は重ね着けをすることによって、ぐっと華やかさやファッション性が増します。リングの素材や宝石が放つ煌めきが、お互いに反射する効果も期待できるためです。特に婚約指輪はダイヤモンドなどの宝石が入っているデザインが多いため、シンプルなデザインが多い結婚指輪に華やかさをプラスしてくれることが期待できます。

②デザインのバリエーションが広がる

指輪を選ぶ際、TPOを問わず着用できるシンプルなデザインがいいけれど、華やかさや個性、ファッション性も欲しい……と悩む女性は少なくありません。婚約指輪と結婚指輪、そして重ね着けという3パターンのアレンジができると、それぞれ単体でのデザインにも特徴を持たせることができ、デザインの選択肢やバリエーションが広がります。

③婚約指輪が「タンスの肥やし」にならない

婚約指輪の活用機会を増やせるのも、重ね着けの大きな魅力です。婚約指輪は元来、単体では婚約期間に着用する指輪です。そのため、結婚した後はいつ着用していいか分からず、“タンスの肥やし”になってしまうことも。大切にしまっておくジュエリーもあって然りですが、近年は「せっかくなら着用したい」という人が増えており、重ね着けのアレンジが人気となっています。

④恋人時代を思い出せる

婚約指輪はプロポーズで贈られるアイテムのため、重ね着けとして定期的に活用することで、恋人時代の気持ちやロマンチックな思い出をよみがえらせてくれる効果も期待できます。結婚後は、毎日の生活に追われる場面も少なくないもの。指輪を通じてふたりで紡いできた月日や、結婚を決めたときの決心などを思い出す瞬間は、現実を乗り越えるパワーになることでしょう。

⑤贈った側が喜び・満足感を得られる

「自分が贈ったジュエリーを、目に見える形で頻繁に身に着けてくれている」というのは、パートナーを喜ばせることにもつながります。愛する人を美しく輝かせるものをプレゼントできた、という満足感は、夫婦仲を円満にすることも助けてくれるはず。

<注意点(デメリット)>

たくさんの魅力・メリットがある重ね着けですが、以下のような注意点もあります。

①ぶつかり合って傷ができることも

指輪はさまざまな素材・デザインで作られています。そのため、それぞれの指輪の凸凹の具合や素材の違いによっては、重ね着けをすることで摩擦や衝突が起こり、傷が付いてしまうこともあります。

特にそのリスクが高いのは、2つの素材の硬度が異なる場合。指輪の硬度は、素材の純度や合金の割合によっても異なり、より硬いほうが、柔らかいほうに傷を付けてしまう可能性があります。傷をできるだけ予防したい方は、最初からセットになっている婚約指輪と結婚指輪を選ぶか、同じ素材・同じ純度の指輪を選ぶのがおすすめです。

②相性が良くない組み合わせもある

婚約指輪と結婚指輪を重ね着けは、どんなデザインの組み合わせでもフィットするわけではありません。指輪にはストレート、S字、V字などのデザインがあり、宝石の大きさによってもボリューム感が変わります。

そのため別々のタイミングで、かつコーディネートを考えずに購入した場合、重ね着けをした際に不調和が生じることもあります。特に双方に大きなセンターダイヤモンドが付いているような組み合わせや、どちらも個性が強いデザインの組み合わせなどは、マッチしない可能性が高くなります。

この心配を防ぐには、最初から重ね着けを前提としてデザインされているセットリングを選ぶか、結婚指輪の購入の際、先に購入してある婚約指輪を合うデザインを意識して選ぶと良いでしょう。

③サイズがフィットしなくなる場合も

重ね着けをする際、上に来る婚約指輪は、指の付け根よりも少し上の位置に留まることとなります。リングの幅や指の形にもよりますがでは、単体のときとは「指輪を着ける位置」が変わることで、リングのサイズ感が微妙に「フィットしない」と感じる可能性もあります。

重ね着けをしたい場合は、それを想定した上でサイズ選定をすると良いでしょう。極端に幅の広い結婚指輪は避け、婚約指輪のほうは、単体で着けても重ね着けをしても、キツさやゆるさを感じないサイズを選ぶのがベストです。購入後に気になる場合は、リサイズに応じてくれるショップもあるので、相談してみるといいでしょう。

婚約指輪と結婚指輪の重ね着けのおすすめデザイン

重ね着けの魅力を存分に楽しむためには、「どんなデザインの婚約指輪と結婚指輪を選ぶか」が最重要となります。形、色、素材などさまざまな組み合わせがあるので、自分の好みや活用したいシーンに合わせてコーディネートしましょう。

組み合わせに悩む場合は、「最初からセットになっているデザインを選ぶ」、もしくは「同じブランドで揃える」のがおすすめです。セットやシリーズ物ではなくても、ブライダルショップがお勧めしている組み合わせもありますし、自分の好みで「これとこれを組み合わせてみたい」という場合にも、気軽に相談してみるといいでしょう。

ここからは、重ね着けを前提として2つの指輪を選ぶ際に注目したいポイントと、具体的なデザイン例について紹介していきます。

【ポイント1. 形状・幅】

重ね着けをした際に収まりがよく、美しく見える組み合わせを選ぶには、まず指輪の「形状」に注目してみるといいでしょう。同じ形状の組み合わせはもちろん、片方にあしらわれている宝石を受け止めるような形状にできる組み合わせもあります。

ピッタリと隙間なく重ねられると、遠目には幅広の1本の指輪のように見せられる効果も。ただし、どちらも幅が太めの場合、ピッタリと重ねると、ゴツゴツした印象になってしまう場合もあります。太めと細め、細めと細めなど、重ねたときの幅も意識しながら選ぶのがおすすめです。

一方、あえて少し隙間を持たせた組み合わせにすると、抜け感”が出て、軽やかな雰囲気になります。おしゃれな重ね着けにしたい方は、“ピッタリになりすぎない組み合わせ”も検討してみると良いでしょう。

<ストレート×ストレート>


グレース/ハウストン

<ウェーブ×ウェーブ>


スターリー ライツ/クリーク

<V字×V字>


ローズランド/ボコカ

<ウェーブ×U字>


ザ ブルックリン/エコー

<ストレート×V字>


ラヴィン/グレン

【ポイント2. 素材・カラー】

指輪を重ね着けした際に「統一感」を出したい際は、同じ素材・カラーを選ぶのがおすすめ。全体がまとまりやすく、違和感なく重ねることが可能です。

一方、あえて違う素材・カラーを使ってコンビネーションのような重ね着けにすると、個性が出て、おしゃれな雰囲気になります。単体でも異素材を組み合わせたデザインがありますが、2本それぞれを違う素材・カラーにすることで、コンビネーションリングのような楽しみ方をすることが可能です。

また同じ素材でも、ブランドや商品によって合金の配合は異なるため、色味が多少変わることもあります。おしゃれな組み合わせを追求したい方は、そうした“違いを生かす組み合わせ”を追求してみると良いでしょう。

アルバ(YG)/マーキー

マチネ(YG)/ベッドフォード

ヴェッセル

【ポイント3. デザイン】

指輪の重ね着けには、華やかさをアップさせられる魅力がありますが、華やかさの度合いはいかようにも調整できます。シンプルなもの同士を組み合わせることもできますし、どちらも贅沢に宝石を使った華やかな指輪を選び、よりゴージャスにまとめることもできます。また片方を「エタニティタイプ」にする組み合わせも、おしゃれな重ね着けを楽しみたい人に人気です。

<シンプル×シンプル>


レヴァランス/ホライズン

<シンプル×華やか>


レヴァランス/アプローズ

<華やか×華やか>


トライベッカ/ハンプトン

まとめ

結婚指輪も婚約指輪も、パートナーの方の愛情やふたりの誓いが込められた特別なリング。いくつかの注意点はありますが、重ね着けにすることによる魅力(メリット)は非常に多くあります。「大切なジュエリーを頻繁に身に着けて活用シーンを広げたい」という人は、ぜひ重ね着けに適した、お気に入りの組み合わせを見つけてくださいね。

「コーディネート一覧はこちら」