最近は行う人が少なくなっている結納。確かに準備など少し大変な面もありますが、日本の伝統を感じることができ、両家で結婚への意識も高まります。面倒だからと頭ごなしに否定せずに、その意味にも思いを馳せて、するかしないか検討してみてはいかが?

【結納ってなに?】

婚約の証として男性から女性へ金品を贈り、結婚の約束をすることを結納といいます。このしきたりは古くからあり、『日本書紀』にも「信契」や「信幣之物」の名称で記載があり、奈良時代には納采(のうさい)と呼ばれるようになりました。
 
伝統的な儀式として、長い間行われてきた結納ですが、最近では「堅苦しい」などとして、行わない人も増えています。代わりに行われているのが、両家の顔合わせ食事会です。これは両家が一堂に集まり、食事を楽しみながら婚約を確認するというもの。カジュアルで和やかな雰囲気で行えるのが、親世代を含めて支持されているようです。
 

【現在の主流は略式結納】

正式な結納は、仲人が両家の間を行き来し、結納を交わすスタイル。けれども、最近は仲人を立てる人が少なくなってきたこともあり、両家が女性の家や料亭などに一堂に集まって結納を行う略式結納が一般的となりました。
 
結納には結納品がつきもの。結納品は地方によって異なり、関東や関西では9品目が正式とされます。関東の9品目は目録、長熨斗(ながのし)、金包、勝男節(かつおぶし)、寿留女(するめ)、子生婦(こんぶ)、友白髪(ともしらが)、末広(すえひろ)、家内喜多留(やなぎだる)。おめでたい品物を集め、おめでたい字を当てています。
 

【身が引き締まり、結婚へ前向きになれる結納】

結納では決まった口上を述べ、男女で結納と受書をそれぞれ取り交わします。その後、男性から女性へ婚約指輪、女性から男性へお返しの品を贈り、家族の前で披露。結納後は場所を移し、会食を楽しむのが一般的です。
 
結納品を準備したり、口上を覚えたりするのが面倒くさいというのが、結納が敬遠される一つの要因といえますが、両家で力を合わせて結納を行うことで両家の絆が深まり、結婚への意識が高まるというメリットがあります。また、厳かな儀式で、身が引き締まるという面も。
 
結納をするかしないかは両家で話し合って決めることですが、男性から女性に贈るものなので、男性側から「結納はなしで」というのは女性に対して失礼になりますので注意して。ふたりで決めて親に言う場合でも、「女性の申し出で結納はなしにという結論になった」というようにした方がいいでしょう。
 

更新日時:2020.12.24