婚約指輪(エンゲージリング)を購入したいと思う場合、選択肢は「既製品」だけではないのをご存知ですか? おふたりの好みや要望を反映させたリングを、「セミオーダー」の形で購入することも可能です。

ただし、セミオーダーの婚約指輪を購入する場合には、既製品と異なる注意点もあります。そこでこの記事では、セミオーダーの婚約指輪の特徴や購入までの流れ、注意点などについて詳しくご紹介します。

セミオーダーの婚約指輪とは

ブランドやショップによっても定義は異なりますが、一般的には用意されたパターンの中から、指輪のデザインやアームの素材、宝石の数・クオリティなどを自分たちで選び、自由に組み合わせてリングを完成させる方法を、「セミオーダー」と呼びます。

約3割のカップルが、セミオーダーで購入

では実際、どのくらいのカップルがセミオーダーの婚約指輪を購入しているのでしょうか。

最新の調査(※1)によれば、婚約指輪をオーダーメイド・もしくはセミオーダーしたという方は約3割となっています。意外といるのだな、と感じた方もいるかもしれませんね。

<婚約指輪の種類/(婚約指輪を購入した人対象/単一回答)>
・既製品(完成品)……62.1%
・セミオーダー品……30.2%
・フルオーダー品……5.6%
・自分たちで手作りした……1.6%

(※1) 「ゼクシィ結婚トレンド調査2021」

フルオーダとの違いは?

オーダーという言葉が付くと、一からすべてのデザインを考えたり、選んだり、という買い方を想像する方もいるかもしれませんが、そういった買い方は「フルオーダー(メイド)」となります。

フルオーダーの場合、一からデザイン画を起こして全てのパーツを考えていき、製作も単品のみでおこなっていく分、完成までには3ヶ月から半年程度を要します。選択肢に制限がなく、自由自在にオリジナリティあるデザインを追求でき、想いを込めて世界にひとつの指輪に仕上げることができる点は、フルオーダーの魅力です。

比べて、セミオーダーはパターンの中から選んでいく形のため、フルオーダーに比べると完成のイメージを持ちやすく、また完成までの時間も短くて済みます。また同等のグレードの宝石や素材を使う前提では、セミオーダーはフルオーダーより手間がかからない分、フルオーダーよりも価格を抑えることが可能です。

既製品(完成品)との違いは?

既製品(完成品)は6割以上のカップルが購入しているように、もっともポピュラーな買い方です。

プロが趣向を凝らした素敵なデザインの指輪がたくさん販売されていますし、気に入ったデザインを見つかり、予算にも問題がなければ、購入後の満足度が劣ることもありません。ジュエリーに詳しくなく、選ぶ自信がない方の場合、多くの人に選ばれているデザインであることの安心感も得られるでしょう。

加えて、既製品はリングサイズの微調整のみで、通常、当日〜1週間以内で受け取れるため、素早く入手したい方にもおすすめです。

ただし価格に関しては、既製品よりセミオーダーのほうが価格を抑えられるケースが少なくありません。既製品はダイヤモンドなどの宝石があしらわれた状態で販売されており、その大きさやグレードによって価格が固定されているためです。

一方、セミオーダーの場合は気に入ったデザインを選んでから、予算に応じた宝石を選ぶことが可能です。「予算オーバーにならずに、気に入ったデザインを選べる」という点でも、セミオーダーは人気の高い購入方法です。

いずれの買い方にもそれぞれメリットがあるので、自分たちに合った購入方法を検討してみるといいでしょう。

セミオーダーの婚約指輪の特徴

続いては、セミオーダーの婚約指輪の特徴を項目別にご紹介していきます。

好みのデザイン・素材を選べる

指輪のデザインは、ほんの少しの違いで大きく印象が変わります。もっともわかりやすいのは、素材の違い。プラチナを選ぶかゴールド(イエローゴールド、ピンクゴールド)を選ぶかで、全体の印象や雰囲気は大きく変わります。

セミオーダーの場合、着ける人の肌の色、合わせたいファッション、TPOなども考えて、ベストな素材を選ぶことができます。予算に応じて選ぶことも可能です。

またデザインの決め手になるのが、ダイヤモンド。最新のデータでも、婚約指輪を購入する人の実に96%の人が、ダイヤモンドのあしらわれたデザインを選んでいます(※1)。

同じタイプでも、ダイヤモンドが何石あしらわれたデザインを選ぶか、ダイヤモンドのグレード(大きさや質、輝きなど)をどの程度にするか、を選択できるため、好みやこだわりに応じて、ベストなダイヤモンドを選ぶことができます。

愛着やオリジナリティを感じられる

婚約指輪は、一生の愛の誓いを込めた贈り物。「通常のジュエリーならば気にならないけれど、婚約指輪だからスペシャル感が欲しい」「他の人とできるだけ被らない、オリジナリティを感じられる指輪がいい」と考える人もいるはずです。

セミオーダーはそうした気持ちも満たしてくれる購入方法です。自分たちで選んで組み合わせた指輪が完成し、初めて着用するときのスペシャル感は既製品とはひと味違う感動があります。一緒に選んでいく過程も大切な思い出になりますし、フルオーダーほどの手間はかけられないけれど、「自分たちのためだけのリング」という愛着を持ちたい、という方にもおすすめの購入方法です。

希望の予算に合った指輪を購入できる

希望の予算に合わせてデザインを調整できる点も、セミオーダーメイドの大きな特徴です。最新の調査(※1)を見ても、もっとも価格を抑えられる購入方法であることがわかります。

<婚約指輪の平均購入価格>
・既製品(完成品)……40.6万円
・セミオーダー品……37.7万円
・フルオーダー品……46.4万円

「絶対にプラチナがいい」「ダイヤモンドをできるだけ大きくしたい」など、こだわりたいポイントは人それぞれ。セミオーダーは「自分がこだわっている部分には予算を使い、その他の部分は価格を抑えたものを選ぶ」など、予算の範囲内で自分のこだわりを反映させることができやすい購入方法です。男性側が費用を出してくれる場合でも、お互いに満足できる購入となりやすいでしょう。

(※1) 「ゼクシィ結婚トレンド調査2021」

セミオーダーの婚約指輪の購入までの流れ

セミオーダーを購入(注文)する際は、既製品と少し異なる手順になります。手元に届くまでの期間も踏まえた上で、スケジュールを逆算して購入に出かけるようにしましょう。

1. ブランド・お店を選ぶ

まずは、どのブランドやお店にするかを検討する必要があります。セミオーダー(「セレクトオーダー」と呼ぶブランドもあります)の場合、おおまかなデザインを見ることができるので、ウェブサイトやお店にて参照しながら、選べる選択肢の豊富さやその内容によって検討していくといいでしょう。

2. デザインを決める

お店が決まったら、ベースとなる指輪のデザインを選んでいきます。

指輪は実物を着用してみると、画像と印象が異なることが少なくありません。画像で決めていたものとは違うデザインのものがしっくりきた、となるケースもしばしば。着用頻度や着用シーンによっても、デザインの留意点は異なってきます。

全工程をオンラインでオーダーできるお店もありますが、できればプロの販売員さんのアドバイスを受け、試着しながら検討できる来店購入がおすすめです。

3. 素材を決める

デザインを決める際には、併せてアーム部分の素材についても検討していきましょう。素材の色味が変わると、デザインの見え方もかなり変わってきます。

お店や商品によって異なりますが、選べる素材はプラチナ、イエローゴールド、ピンクゴールド、ホワイトゴールドのいずれかであることが多いです。

また素材は予算にも影響するため、予算を絶対に超えたくない場合は、「あらかじめ予算を伝えた上で、選べるデザインや素材を提示してもらう」といった購入方法もおすすめです。

4. ダイヤモンドを決める

デザインと素材が決まったら、次はあしらうダイヤモンドを選んでいきます。(※ブランドによっては、先にダイヤモンドを選んでからデザインを決める、という手順のところもあります)。

一般的にダイヤモンドは、「4C」というグレードで評価されます。大きさ、色、透明度、カットの技術などによってそれぞれ評価が付けられており、価格も異なります。大きさを重視するか、輝きや透明度にこだわるか、といった優先度を意識しながら、予算に応じて選んでいきましょう。

4Cについては、こちらのページも参照ください。

宝石が複数個あしらわれているデザインでは、センターストーンだけでなく、脇石と呼ばれる部分の宝石を選べる場合もあります。脇石ではあえて色味のある宝石を選んだり、ダイヤモンド以外の宝石にして予算を抑えたり、といった工夫も可能です。

5. 刻印を決める

必須ではありませんが、オリジナリティにこだわるのであれば、ぜひ検討したいのが「刻印」です。購入者に対し、指輪の裏側に刻印を入れてくれるサービスを無料で提供しているブランドやショップもあります。

刻印できる文字数は限られますが、日付やイニシャル、メッセージなどの刻印を入れておくと、より“自分たちのリング”という特別感や愛着を感じられ、一生の記念に残るリングに仕上げることができます。

刻印内容を検討する際は、こちらのページも参照ください。

6. 注文〜受け取り

上記のすべてが決まったら、最終的な見積価格を確認し、注文となります。

セミオーダーの場合、受け取りまでの期間は1〜2ヶ月が目安になりますが、お店によっても異なるので、「いつ受け取れるか」の目安は事前に確認を。

完成品を受け取る際には、ダイヤモンドの鑑定書や保証書などの関連書類も、併せて確認をしておきましょう。

セミオーダーの婚約指輪を購入する際の注意点

最後に、セミオーダーの婚約指輪を購入する際に注意したいポイントについてご紹介します。

ある程度の完成イメージを持っておく

フルオーダーほどではないですが、セミオーダーも比較的に自由度の高い購入方法。だからこそ、「このタイプのデザイン、素材にしよう」といったある程度のイメージは持ってから購入に出かけるのがおすすめです。選択肢が増えるほど、迷いが生じるのは人の性。何も考えずにお店に行くと、あれもこれも魅力的に見えてしまい、決めきれない可能性もあります。

イメージが全く湧かない場合は、まず視察のつもりで商品を見に行き、どのような選択肢があるのか、自分の手にどのようなデザインが似合うかを心得た上で、あらためて注文に出かけるのもおすすめです。

時間に余裕を持って検討する

「プロポーズや両家顔合わせに合わせて準備したい」という人も多い婚約指輪。セミオーダーの場合、注文から受け取りまでに1〜2ヶ月間かかるケースが多いため、婚約指輪を着用したい(贈りたい)タイミングから逆算し、前倒しで準備しておけると安心です。

週末は店舗も混雑もしやすいので、落ち着いて選びたい場合は事前に来店予約をしておくのがおすすめです。セミオーダーで購入したい旨を伝えておけば、手際よく選んでいけるよう準備しておいてくれるお店もあります。せっかくのセミオーダーなので、時間に余裕を持って選んでいけるよう、段取りを考えながら進めていきましょう。

重ね着けしたい場合は、デザインに注意する

また近年は、婚約指輪と結婚指輪を重ね着けして楽しむ人が増えています。重ね着けはバランスが重要になるので、2本のデザインの組み合わせを考えて選ぶ必要があります。

先に婚約指輪を選び、後からそのデザインに合った結婚指輪を選ぶ、ということも可能ですが、重ね着けをする心づもりがあるならば、その想定で選んでいくのがベスト。

「ストレート×ウェーブ」「ウェーブ×ウェーブ」あるいは「エタニティ×ソリティア」「メレ×ソリティア」など、どのような組み合わせがいいかをイメージした上でデザインを選んでいくと、より満足度の高い組み合わせとなるでしょう。

まとめ

既製品をアレンジする感覚で、手軽にオリジナリティあるリングに仕上げることができるセミオーダーは、デザインの面でも価格の面でも、満足度の高い購入方法と言えそうです。

セミオーダーならではの良さを存分に活用し、色々なパターンを検討しながら、より愛着を持てる素敵な婚約指輪に仕上げてくださいね。

更新日時:2022.04.22