ふたりの愛の証として選ばれる結婚指輪は、ダイヤモンドをあしらったデザインも人気です。ただし、ダイヤモンド付きの結婚指輪はデザインのバリエーションが広く、魅力やメリットがたくさんある反面、取り扱いには注意しなければなりません。購入後に「知らなくて困った」とならないよう、事前に、ダイヤモンド付きの指輪についてしっかり学んでおきましょう。

ダイヤモンド付きの結婚指輪を選ぶ人の割合

ダイヤモンド付きの結婚指輪を選ぶメリットと注意点を解説!_1

まず参考にしたい情報として、ダイヤモンド付きの結婚指輪を選んでいる人の割合を見ていきましょう。「ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ」によると、ダイヤモンド付きの結婚指輪を選んだと回答した方は、夫が15.4%、妻が74.4%という結果になっています。ダイヤモンド以外の宝石には「サファイア」や「ルビー」などもありますが、どちらも3%を下回る結果になっているため、結婚指輪にあしらう宝石はダイヤモンドを選ぶ方が多いと言えます。

ダイヤモンド付きの結婚指輪にするメリット・注意点

ダイヤモンド付きの結婚指輪を選ぶメリットと注意点を解説!_2

結婚指輪は常時着用する指輪のため、通常のジュエリーとは異なり、見た目や好み以外の観点も考慮して選ばれるケースが少なくありません。「ダイヤモンドは好きだけれど、宝石が付いていないデザインにしたほうが良いのか」と迷う人もいることでしょう。ここでは、ダイヤモンド付きの結婚指輪にはどのような魅力と注意点があるのかを解説します。

<ダイヤモンド付きの結婚指輪を選ぶメリット>

ダイヤモンド付きの結婚指輪を選ぶメリットには、以下の5つが挙げられます。

(1) 華やかさや上品さがランクアップする

ダイヤモンドは非常に価値の高い宝石で、周囲の光を反射し、硬質でキラキラとした輝きを放ちます。グレードによって光量は異なりますが、小さなサイズのものでも指輪にダイヤモンドが入ることで、手元が華やかになり、上品な雰囲気をまとうことができます。また同時に、指を美しく見せてくれる効果もあります。ダイヤモンドは「無垢、永遠の絆、純愛、貞節、不変」といった石言葉を持つ宝石なので、そういった意味でも、結婚指輪にはぴったりの宝石と言えるでしょう。

(2) デザインが豊富で、お気に入りを見つけやすい

ダイヤモンド付きの結婚指輪はバリエーションが豊富にあるため、お気に入りのデザインを見つけやすいのも魅力です。プレーンなデザインだと「それだとちょっと味気ない」「個性がない」と感じる人もいますが、ダイヤモンド付きならそのようなことはありません。「一生モノのジュエリーだからこそ、身に着けていて気分が上がるもの、自分らしい個性を感じられるものを選びたい!」という人は、ダイヤモンド付きのデザインのほうが、満足度の高い1本を探せる可能性があるでしょう。

(3) 婚約指輪との重ね着けで映える

近年は、婚約指輪と結婚指輪の重ね着けアレンジを楽しむ人が増えています。「ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ」によると、婚約指輪をダイヤモンド付きにしている人は95.9%。どちらもダイヤモンド付きのデザインを選ぶことで、それぞれのダイヤモンドの輝きが相乗効果となり、さらに華やかで、上質なジュエリーとして活用することができます。重ね着けを楽しみたい人は、購入段階から重ね着けのコーディネートを考えて、相性の良い形状やデザインを選ぶのがおすすめです。

(4) 婚約指輪を控えた場合でも、ダイヤモンドを身に着けられる

予算などの事情から、カップルの中には「婚約指輪を購入せず、結婚指輪だけにする」という選択をする人もいます。しかし、婚約指輪を購入しなかったことで手元が寂しくなり、後悔する方は少なくないもの。ダイヤモンド付きの結婚指輪を選べば、婚約指輪がなくても手元が華やかになるほか、プレーンなデザインよりもランクが高くなるためその気持ちを多少なりとも満たすことが可能です。

(5) リングの傷が目立ちにくい

ダイヤモンドは硬いため、基本的に日常生活の中で傷が付く心配はありません。紫外線や温泉成分などにも強く、変色や変質することは滅多にないですし、ほかの宝石と比べても非常に扱いやすいと言えるでしょう。

それに比べると、リングに用いられるプラチナやゴールドといった素材は、十分な硬度があるものの、長時間使用していると小さな傷が付いてしまうことが避けられません。プレーンなデザインの指輪の場合、そうした傷が気になってしまうこともあるでしょう。しかし、ダイヤモンド付きの結婚指輪であれば、その輝きやデザインのほうに注目がいくので、傷があまり目立たないメリットがあります。

<ダイヤモンド付きの結婚指輪を選ぶときの注意点>

ダイヤモンド付きの結婚指輪には上述したようなメリットがありますが、反対に注意点もあります。

(1) 価格が高くなる可能性がある

ダイヤモンドは価値のある宝石なので、同じデザインであれば、ダイヤモンド付きのデザインのほうが価格は上がります。「ダイヤモンド付きでも価格を抑えたい」という人は、ダイヤモンドの数や総カラットを減らすといった選択肢も検討してみると良いでしょう。最近は加工技術の向上もあり、小さなダイヤモンドでも最大限、輝きを放つようなデザインに仕上げている指輪もあります。ダイヤモンドのカット技術に優れたブランドやショップを選ぶのがおすすめです。

(2) 汚れが付いたり、ダイヤモンドが取れたりする可能性がある

結婚指輪は日常的に着用する指輪なので、汚れが付くことがあります。装飾の少ないプレーンなデザインであるほどセルフメンテナンスがしやすいですが、ダイヤモンド付きの結婚指輪の中には、デザインが複雑なものもあります。細かな凹凸があるほどその隙間に汚れが溜まりやすくなるため、定期的なメンテナンスが必要です。

またダイヤモンドには油分と馴染みやすい性質(親油性)があり、料理やハンドクリームなどの油分が付着してしまうこともあります。油分の膜が付くと、ダイヤモンドの輝きをくすませてしまうことも。購入したショップに持参すれば、無料でメンテナンスをしてくれるところが多いですが、日常的に気になる場合は、油分を触ったときにすぐ拭き取るか、料理をするときや化粧品を使うときには外しておくのがおすすめです。

またダイヤモンド付きの指輪は、硬い場所にぶつけるなど強い力が加わった際に取れてしまうこともあります。結婚指輪の場合、日常生活で用いやすいよう、しっかりとダイヤモンドが埋め込まれているデザインも多いですが、取れるリスクはゼロではないので、心配な方は引越作業をするときや金属が多い場所(工場や遊園地など)に出かける際は、外しておくと良いでしょう。

(3) TPOやシチュエーションを選ぶことも

ダイヤモンド付きの結婚指輪は華やかな雰囲気になる分、職場やお葬式など、華美な装飾が馴染まないシーンでは「着用しづらい」と感じる人もいます。もちろん、職場によっては全く問題ないところもありますし、「気になるシチュエーションでは外しておく」という対応もできますが、TPOが心配な方は、ダイヤモンド付きの指輪の中でも、少し落ち着いたデザインを選ぶのがおすすめです。

(4) 夫婦おそろいのデザインになりにくい

ダイヤモンド付きの結婚指輪を選ぶと、夫婦おそろいのデザインにすることが難しくなります。というのも、「ダイヤモンドが付いていない結婚指輪のほうが良い」という人もいるため。ダイヤモンドの有無によって意見が分かれてしまうと、全くのおそろいは難しくなるでしょう。

ダイヤモンドの有無を決める上でのポイント

上記の懸念点も踏まえ、ダイヤモンド付きの結婚指輪を選ぶかどうかを決める際には、以下のようなポイントをしっかり考慮して決めると良いでしょう。

● 日常使いや将来も考えてデザインを選ぶ

店頭でたくさんの結婚指輪を見ていると、どうしても華やかなデザインに目がいきがちですが、日常的に使う指輪であること、また年齢を重ねても永く着用する可能性があることは考慮しておきましょう。職場や日常生活の中で浮かないデザインかどうか、10年後、20年後の自分にも似合うデザインかどうかといった観点で検討しておくのがおすすめです。

● リングの重みや着け心地も確認しておく

ダイヤモンド付きの結婚指輪を選ぶ際、長時間着けることを考えると、「ダイヤモンドが付いていることによって着け心地に影響はないか、リングの重みを感じないか」といった観点も必ずチェックしておく必要があります。

着け心地に関しては、ブライダルリング専門の商品であれば十分に考慮されていますが、指の形なども影響することがあります。試着した際、着け心地が気になるデザインのものは避けたほうが良いでしょう。

● サイズ直しの可能性を考慮しておく

結婚指輪は将来、加齢による体型や指の形状変化が起こった際に、サイズ直しが必要になる可能性があります。「合わなくなったら、違うものを買い直せば良い」という考えの方は、現時点で満足のいくデザインを選んでも問題はありませんが、「一生長く着用したい」と考えている方は考慮しておきたいポイントです。

特にダイヤモンドがリングの全周にびっしりと埋め込まれている「フルエタニティリング」は、サイズ直しができないケースが多いようです。そのほかのデザインでも、サイズ直しができないものもあるので、購入段階で確認しておくと安心です。

ダイヤモンド付きの結婚指輪のデザイン例

続いて、ダイヤモンド付きの結婚指輪には、どのようなデザインがあるのかを見ていきましょう。

結婚指輪は日常での使いやすさも重要なポイントのため、リングから宝石がはみ出すようなデザインのものはほぼありません。リングに収まる小さなメレダイヤモンドをあしらい、またできるだけ高さを出さないよう工夫してセッティングされているものが一般的です。メレダイヤモンドを数多く使えば、キラキラと華やかなデザインにすることも可能です。

ここからはメレダイヤモンドの数に注目し、6つの代表的なデザインをご紹介します。

<1石>


ホライズン

リングの中央部分に、一粒のメレダイヤモンドをあしらったデザイン。シンプルで落ち着いた雰囲気になるため、日常使いを優先する方におすすめのデザインです。

<3石>


キャナル

リングの中央部分に3粒のメレダイヤモンドが配置されているリングは、「スリーストーン」と呼ばれ、指輪の王道デザインです。同じ大きさのダイヤモンドを3つあしらったものもあれば、左右のダイヤモンドが少し小さいものもあります。3つの石はそれぞれ現在・過去・未来を意味していると言われ、永遠の愛のメッセージを込めることができます。

<5〜7石>


クリーク

リングの中央部分に5~7石ほどのメレダイヤモンドが並んでいるデザインも、非常に多く見られます。ストレートに配置しているものもあれば、斜めに配置することで、流れるようなデザインを生み出しているものもあり、洗練されたおしゃれな雰囲気がまとえます。

<ハーフエタニティリング>


マチネ

リングの半周に10〜15石前後のメレダイヤモンドがあしらわれたデザインは、「ハーフエタニティリング」と呼ばれます。手の内側に当たる部分はプレーンな状態になるので、着け心地や使い勝手が良く、次項のフルエタニティリングと比べると、ダイヤモンドの数と価格を抑えることができます。

<フルエタニティリング>


ソワレ フルエタニティ

リング全体にぐるりとメレダイヤモンドを敷き詰めているデザインは、「フルエタニティリング」と呼ばれます。上品でありながら華やかさとゴージャス感があり、また年齢を重ねた指にもよく似合う人気のデザインです。ただし、使われるダイヤモンドの数が多い分、価格は上がるのが一般的です。ダイヤモンドなしの部分がないため、サイズ直しが難しい可能性も心得ておきましょう。

<パヴェ>


デューク

アームの縦横の両方に、石畳のようにメレダイヤモンドを敷き詰めたデザインは「パヴェ」と呼ばれます。ここまでご紹介した中では、もっとも華やかでゴージャスな雰囲気になります。このデザインの懸念点としては、ダイヤモンドが取れるリスクが増える点、惜しみない数のダイヤモンドが使われている分、価格が上がる点が挙げられます。

ダイヤモンドをあしらうのにおすすめの素材

ダイヤモンド付きの結婚指輪を選ぶメリットと注意点を解説!_3

結婚指輪は長年身に着けるジュエリーなので、ダイヤモンドをあしらうなら素材にもこだわることが大切です。プラチナやゴールドなら変質・変色しにくいため、ダイヤモンドも含めていつまでもきれいな状態を保ちやすくなります。

プラチナ

プラチナは白銀の輝きを放つため、上品な雰囲気を演出できるのが特徴です。ダイヤモンドをあしらっても色みが似ていることから、目立ちすぎることなく身に着けることができるでしょう。さらに、プラチナは科学的に安定している素材なので、毎日身に着けていても変色しにくいのも魅力のひとつ。日常使いする結婚指輪にはおすすめの素材と言えるでしょう。

ゴールド

前述したように、ゴールドも変質・変色しにくい素材なので日常使いする結婚指輪に向いている素材です。

なお、ゴールドは含まれている金属の種類と割合で色が異なります。特に人気の色には、「イエローゴールド」「ピンクゴールド」「ホワイトゴールド」が挙げられます。

イエローゴールド

イエローゴールドは、金に近い色をしているのが特徴です。明るい印象を与えるため「似合わないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、金色がアクセントになりおしゃれな雰囲気を演出できます。

ピンクゴールド

ピンクゴールドは、わずかにピンク色をしているのが特徴です。柔らかい印象を与えるため、「あまりゴールドを目立たないようにしたい」という方に特におすすめです。また、ほかのゴールド素材に比較して銅が多く含まれているピンクゴールドは強度に優れているため、耐久性を重視したい方にも向いていると言えるでしょう。

ホワイトゴールド

ホワイトゴールドは、プラチナに似た色をしているのが特徴です。ゴールド素材で、白銀色の結婚指輪を身に着けたい方に特におすすめと言えるでしょう。

ダイヤモンド付きの結婚指輪での注意点

ここからは、ダイヤモンド付きの結婚指輪を購入することを決めた方に向け、より詳しい注意点をご紹介します。

● ダイヤモンドがひっかかりにくいデザインを選ぶ

ダイヤモンド付きの結婚指輪を選ぶ際に必ず確認しておきたいのは、「デザイン的に引っかかりが起こりにくいか」という点です。結婚指輪は日常的に着用する指輪で、入浴中や睡眠中も着けっぱなしにする人も珍しくありません。店頭での試着の際には、袖口や衣服などに引っかからないかをチェックしておきましょう。

ダイヤモンドのセッティングにはさまざまなスタイルがありますが、その中でもダイヤモンドが落ちる心配が少ないとされている方法のひとつに「レール留め」があります。ダイヤモンドを両側から地金で挟み込んでおり、外に露出しない分、リングが歪むことなどがない限り外れる心配が少ないのです。


ハイライン(レール留め)

ダイヤモンドの輝きを存分に味わいたい方は、爪留めのセッティングで、かつ地金でダイヤモンドの高さに合わせた縁があるようなデザインもおすすめです。

ソワレ(爪留め・縁あり)

さらに、ダイヤモンドがしっかり守られるのが「覆輪(ふくりん)留め」というセッティングです。すべての石を地金で囲む形になります。個性的なデザインなので、販売されているバリエーションは少ないですが、この雰囲気が好きな方は検討してみると良いでしょう。

ブロードウェイ(覆輪留め)

● セルフメンテナンスの方法を心得ておく

上述したように、ダイヤモンド付きの結婚指輪は、繊細なデザインになるほど汚れが溜まりやすいため、セルフメンテナンスの方法を知っておいて損はありません。自宅でできるメンテナンスとしては、普段からこまめに「からぶき」をし、汚れがひどくなった場合は「中性洗剤でつけおき洗いをする」のがおすすめです。

<からぶきの際の注意点>

からぶきの際に気を付けたいのは、布の種類です。傷を付けないよう柔らかい布を使うことが必須です。指輪磨き専用の布を使うか、身近なものではメガネ拭きやカメラのレンズ拭き用の布などがおすすめです。ティッシュペーパーなどは繊維が粗く、指輪に傷を付けてしまう可能性があるのでNGです。

また指輪磨き専用の布を使う場合は、プラチナやゴールドなど、その指輪の素材に適したものかどうかを事前に確認してください。シルバーアクセサリーを磨くための「シルバークロス」などは、逆に指輪を傷付けてしまうこともあるので注意が必要です。

汗や皮脂、化粧品やハンドクリームなどの油分が気になる人は、カモシカなどから作られた「セーム革」という布を使うのがおすすめです。油分の汚れをよく拭き取ってくれる素材です。ダイヤモンドはもちろん、地金の部分も一緒に磨いておくと、美しい状態に保つことができます。

<水洗いをする際の注意点>

「目に見えて指輪がくすんできた」「隙間の細かい汚れが取れない」といった場合は、食器洗い用などの中性洗剤を溶かしたぬるま湯で、つけ置き洗いをしましょう。つけ置きは数分程度でOKです。汚れが浮いてきたら化粧筆などを使って、優しく汚れをこすり出してください。そのあとは真水で洗い流し、上述したような柔らかい布で水分を拭き取ればお手入れ終了です。

まとめ

以上、ダイヤモンド付きの結婚指輪を検討するにあたって、知っておきたい情報を幅広くご紹介しました。雰囲気が華やかになり、デザインの選択肢が増えるなど、魅力がたくさんあるダイヤモンド付きの結婚指輪。取り扱いの留意点を心得た上で、ぜひお気に入りのデザインを見つけてくださいね。

「結婚指輪一覧はこちら」

更新日時:2023.06.01