男性から女性にするイメージがある、プロポーズ。しかし近年は、女性から男性に結婚を申し込む「逆プロポーズ」で結婚に至るカップルも増えています。

そこでこの記事では、「実際にどのくらいの人が逆プロポーズをしているのか」「どんな逆プロポーズならうまくいきやすいのか」について徹底調査。男性陣の本音を踏まえ、逆プロポーズを成功させるためのポイントや注意点についてご紹介します。

逆プロポーズとは

厳密な定義はありませんが、一般的にプロポーズとは、男性から女性に結婚を申し込む行動を指します。婚約指輪の箱をパカッと開けて結婚を申し込む、そんなシーンも定番ですよね。「こんなシチュエーションでプロポーズされたい」といった憧れを抱いている女性もいます。男女平等が進む現代でも、「絶対に自分からはしない、男性に決意してもらったほうが幸せになれる」と信じている女性は少なくありません。

しかしながら、プロポーズは男性からしなければいけない決まりはありませんし、「逆プロポーズでは幸せになれない」という法則があるわけでもありません。「彼に本気で結婚を考えてもらいたい」と思ったら、思い切って女性側から男性側に結婚を申し込む“逆プロポーズ”も検討してみてはいかがでしょうか。

最近は対等な関係を望む男女も増えていますし、養う・養われるではなく、「あなたと一緒に生きていきたい」という意思を伝えることで、男性側にも結婚の意思が芽生える可能性は大いにあります。

ただ実例が少ない分、成功するかどうかが心配な女性は少なくないことでしょう。逆プロポーズが成功しやすいタイミングや言い方などは工夫するのがおすすめです。

逆プロポーズをした人、されたい人はどれくらい?

逆プロポーズをするにあたっては、実際どれくらいの人が逆プロポーズをきっかけに結婚に至っているのか、気になりますよね。プロポーズの有無を調べた最新の調査データ(※1)では、以下のような結果になっています。
・ 夫から妻にあった(82.0%)
・ 妻から夫にした(0.5%)
・ なかった(9.5%)
・ 無回答(7.9%)

逆プロポーズをした人は全体の0.5%。全国の中では最も多い茨城・栃木・群馬エリアで1.9%、最も多かった2015年度調査で2.1%となっています。100組に1〜2組程度と考えるとかなり少ない印象ですが、実際には「女性側が先に結婚の話をし、男性側を促す形でプロポーズをしてもらった」というカップルの数はかなりいると推測できます。

「逆プロポーズをしている人はかなり少ないから、男性からのプロポーズを待つべきだ」と“待ち”に徹してしまう人もいるかもしれませんが、「結婚の気持ちは固まっているのに、プロポーズをしてくれない」と悩み続けるくらいなら、自分から動いてみるのも一案。「女性に積極的になってもらったほうが動ける」という男性も増えていますし、データはあくまで参考程度に捉えるのがベストです。

(※1)「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」

男性的に「逆プロポーズ」はアリなの?

実際、逆プロポーズが“ナシ”という男性は少ない、というデータもあります。

2019年にある行われた調査によれば(※2)、女性からプロポーズする「逆プロポーズ」はあり?なし?という質問に、「とてもあり」と答えた男性の割合は32%。「あり」(42%)、「どちらかといえばあり」(19%)を合わせると9割以上にのぼり、「なし」と答えたのはたった7%です。

印象的だったのは、女性の方が“アリ派”が少ない点。「とてもあり」(10%)、「あり」(25 %)、「どちらかといえばあり」(37%)を合わせると7割程度で、ナシ派が約3割を占めています。女性のほうが「プロポーズされたい願望」が強くあるのかもしれない、という推測もできます。

<アリ派の意見>

男性からの回答の中には、「相手から気持ちを伝えてもらった方が嬉しい」とむしろ逆プロポーズを望む意見や、「男からする方がセオリーかもしれないが、どちらがプロポーズをしても素敵だと思う」とフラットな意見もあり、性別役割にこだわらない人もいるようです。逆プロポーズをしたい人には心強いですね。

アリ派の男性たちからは、「勇気を出してくれたことが嬉しい」「そこまで思ってくれたことがありがたい」「彼女の愛を感じた」と受け止めてくれる声もあれば、「男女の役割にとらわれないほうが好き」「むしろリードしてほしい」といった声も。

こうした回答を見る限り、逆プロポーズが成功するかどうかは、男性側の性格や価値観が大きく影響すると言えそうです。柔軟で先進的な考え方をする男性や、女性の主張を優しく受け止めてくれるような男性の場合は、逆プロポーズを喜んでくれる可能性が高そうです。

<ナシ派の意見>

一方、ナシ派の男性は、どんな理由から「プロポーズは自分からしたい」と考えているのでしょうか。代表的な意見をご紹介します。

・申し訳ない、不甲斐ないと感じる
多く聞かれたのは、逆プロポーズをされると、女性から言わせて申し訳ない気持ちになる、プライドが傷つく、不甲斐なく情けない気持ちになる……といった意見。「プロポーズは男性からするべき」という価値観があり、先に言われてしまったことに落ち込む人もいるようです。

・自分がリードしたい
また、「プロポーズは自分のタイミングでしたい」「自分がリードしたい」という意見の人も。

このあたりの価値観は、普段の行動からも推測しやすい部分です。「男として強くありたい」というタイプの男性にプロポーズをしたい場合は、結婚の意思をそれとなく伝えるにとどめ、明確な言葉は相手に言わせてあげる、そんな形にもっていくのがベストかもしれません。

(※2)「結婚観調査」(20歳以上の未婚男女753名対象、2019年11月リンクバル調査)

逆プロポーズを成功させるポイント

逆プロポーズを成功させるためには、「タイミング」もとても重要です。男性側に結婚するつもりがあっても、タイミングを見誤ると「今はちょっと」と断られてしまう可能性も。

うまくいっていたのにそれがきっかけで微妙な空気になり、最悪の場合、「結婚を急ぐなら自分では応じられない」と結婚を断られてしまう可能性もゼロではありません。そうなれば、逆プロポーズをしたことをひどく後悔してしまいそうですよね。男性側の状況や性格、価値観をしっかり見極めた上で、ベストなタイミングを探っていきましょう。

避けたほうがいいタイミングは?

重要な仕事を任されているタイミングや、担当プロジェクトが佳境にある時期は、プロポーズをしても耳に入らない可能性も。「今は仕事に集中していそうだな」と感じるタイミングは、避けたほうがベターでしょう。一般的に男性は“シングルタスク”の方が多いと言われ、“マルチタスク”が得意な女性と比べると、一つのことに集中すると、他のことに意識が回らない傾向が強いと言われます。

また就職や転勤、異動などに「新しい環境に入ったばかりのタイミング」も、避けたほうが無難です。新しい環境や仕事に慣れるまでは、精神的に余裕がない人も多くいます。

そのほか、身内やペットなどを亡くした後なども、避けたほうが安心です。相手の気持ちに比較的余裕があり、また幸福感を存分に満喫できそうなタイミングを選んでいきましょう。

成功しやすいタイミングは?

一方、収入面が安定してきた時期や昇進をしたタイミングなどは、男性側の自信が高まっている可能性が高いので、結婚の話をしても前向きに捉えてもらえる可能性が高いです。男性に逆プロポーズをする際は、基本的に仕事の状況は考慮に入れておいたほうがいいでしょう。共働きが当たり前になってきたとはいえ、妊娠中や育児のことも考えると、男性は「自分の力で妻子を養えるかどうか」を気にしている方が少なくありません。

一方、仕事で窮地に追い込まれて弱っている際、病気や怪我などで体調を崩しているときに結婚の意思を固める男性もいます。コロナ禍でも不安定な社会情勢のなかで、そばにいてくれる女性のありがたさを感じて結婚を決めた男性も多かったそうです。結婚式では「病めるときも健やかなるときも」という誓いもなされますが、不調なときほど、「どんな状態でもあなたと一緒にいたい」という思いが、真に響きやすいのかもしれませんね。

また人付き合いや社会的な体裁を大事にしている男性の場合は、部活の仲間や同僚など周りの人たちが結婚をし始めると、結婚願望を刺激される人も少なくないようです。近しい仲間たちの結婚が増えているようであれば、逆プロポーズに適したタイミングと言えるかもしれません。

理想のシチュエーションは?

タイミングを見極めたら、次に考えたいのは逆プロポーズのシチュエーション。女性は夜景の見えるレストランなど、特別で気張ったシチュエーションが好きな方も少なくありませんが、それに比べると、男性はリラックスしている日常の空間を好む傾向があるようです。

たとえば、家でご飯を食べているときなどは、家庭生活が目に浮かびやすいシチュエーションですよね。ただご飯を食べている時間がとても幸せで楽しく、「こんな生活を長く続けていきたいな」と自然に思える、そんな流れでの逆プロポーズは響きやすいようです。

2人で映画やテレビを見ているときなども、逆プロポーズしやすいシチュエーションです。映画の中のストーリーに乗せて思いを伝えることもできやすいですし、「あんな夫婦になりたいね」「ハネムーンであそこに行こう」なんて流れから、プロポーズの話に持っていく、ということもできやすいでしょう。

贈り物は必要ない!?

2人だけの空間で何気なく伝えたほうが男性には響きやすいことを考えると、贈り物なども特段、用意する必要はないかもしれません。あまり高級なものを贈られると、逆に男性のプライドを傷つけたり、プレッシャーを与えたりする可能性もあります。

女性にとっての婚約指輪のような“定番”もないですし、気持ちのこもった手料理などで十分に喜ばれる可能性も。一緒に食事をするのであれば、ちょっと特別なワインくらいは用意してみるといいかもしれません。何か婚約の記念品を購入したい場合は、逆プロポーズが成功してから、一緒に買いに行くのもおすすめです。

逆プロポーズの贈り物についての記事を見る

男性に響くプロポーズの言葉は?

また男性に逆プロポーズする際は、プレッシャーを与えない言い方に留意しましょう。「夫婦として一緒に頑張っていきたい」「ずっと支えあっていこうよ」など、責任や負担を分け合う気持ちを伝えると、男性も結婚の覚悟を固めやすくなるようです。

また、周りくどい言い方が苦手な男性も少なくないので、「籍を入れたいな」「結婚しよう」といったストレートな言い方も好まれやすいです。

さらに、「プロポーズしてほしいな」という逆プロポーズをする選択肢もあります。絶対にイエスと言ってもらえると分かっているので、男性も気張らずに改めて結婚を申し込むことができます。お互いにプロポーズをした、という思い出が残せるので、男性側のプライドも尊重できるメリットがあります。

逆プロポーズの注意点

最後に、逆プロポーズをする際、彼を困らせてしまう可能性が高い行動や態度について、ご紹介します。

NG行動やNGな態度は?

プロポーズでは、「断られる可能性があること」は絶対に心得ておく必要があります。女性は男性に比べると結婚願望が強い人が多く、「交際していれば当然、結婚するものだ」と考える人の割合も男性に比べると多い傾向があります。

そのため、逆プロポーズをして「結婚する考えはない」と断られてしまうと、泣いて取り乱したり、相手を責めたりしてしまう人も。そういった態度を取っても、相手の意思を変えられる可能性は低いです。冷静に受け止め、自分の人生プランを見つめ直すようにしましょう。

また女性の場合、「結婚」そのものへの憧れが厚すぎて、深く考えずに逆プロポーズをしてしまう人もいます。よく考えずに逆プロポーズをしておいて、後になって「やっぱり違う」「この人でよかったのだろうか」と迷ってしまえば、無責任な行動になってしまいます。

「本当にこの彼と結婚をしたいのか」「幸せな結婚生活ができそうか」と自問自答し、自分なりに確信が持ててから、逆プロポーズをするようにしましょう。

困った逆プロポーズのエピソード

逆プロポーズのしかたによっては、もともと結婚の意欲があった男性を及び腰にさせてしまうこともあります。実例も参考に、以下のような逆プロポーズは避けるようにしましょう。

・結婚の時期を迫るような逆プロポーズ
「今月中に結婚したい」「年末までに入籍しよう」など時期を迫るような逆プロポーズをされて困った、という声は多く聞かれるもののひとつです。

結婚をする意思は固まっていても、タイミングに関しては、男性側にも希望があるはず。一方的に押し付けてしまうと、話し合って物事を決められない性格だと将来に不安を抱かせてしまう可能性もあります。まずは結婚の意思を確認しあってから、具体的な時期を相談するようにしましょう。

・別れをちらつかせての逆プロポーズ
「結婚してくれないと別れる!」といった脅しに近い逆プロポーズをされて興醒めした、という男性も。切羽詰まった雰囲気で言われてしまうと、結婚生活にも幸せなイメージができにくいですよね。「この人は結婚がしたいだけで、自分じゃなくてもいいのかも」などと思わせてしまうと、結婚の意欲が萎えてしまう男性は少なくないため、注意が必要です。

・間接的な逆プロポーズ
LINEやメッセージでの間接的な逆プロポーズも、避けたほうがいいでしょう。お互いの真剣度が分からず、誤解が生じてしまうケースも。「OKって言ったくせに」「軽すぎて冗談かと思った」なんてことにならないためにも、相手の顔色が分からない状況は避けるべき。遠距離でプロポーズをする場合は、せめてTV電話など、お互いの顔が見える形で伝えるようにしましょう。

・人目に付く場所での逆プロポーズ
大勢の人の前での逆プロポーズも、男性を困らせやすいので注意が必要です。「デートスポットで、大声で言われて逃げ出したかった」「友達の前は避けてほしかった」なんて実際の声も。逆プロポーズには肯定的でも、人前にさらされるような逆プロポーズはプライドが傷つく、メンツが立たない、と感じる人も少なくありません。

人目を気にしない性格の人、もともと派手な演出が好きな方であれば別ですが、そうでなければ、完全に2人きりになれる場所で伝えたほうがベターでしょう。

まとめ

以上、女性からの逆プロポーズについてご紹介しました。女性からの積極的な行動を喜んでくれる男性も増えている昨今ですが、伝え方やタイミング、シチュエーションなどには注意が必要と言えそうですね。自分の意思をしっかり確認し、彼の性格や価値観も考慮しながら、よく考えて実行に移してみてくださいね。

更新日時:2023.11.28