結婚指輪を購入する際、この先何十年も日常的に着用することを考えると「ファッションジュエリーのように好みだけで選んで良いの?」と不安になる方もいるでしょう。結婚指輪選びで後悔をしないためには、選び方が重要です。
そこで今回は、結婚指輪の選び方や押さえておきたいポイント、費用負担、納期などを詳しく解説します。ふたりが満足できる結婚指輪を選ぶためにも、ぜひご参考にしてください。
結婚指輪の選び方
結婚指輪の選び方には、以下の3つのパターンがあります。
デザインで選ぶ
結婚指輪のデザインは指輪の形状や装飾、表面の仕上げ方などによってさまざまなバリエーションがあります。見た目の好みはもちろん、長く愛用できるデザインを基準に選ぶと良いでしょう。
「ゼクシィ 結婚トレンド調査2024調べ」によると、結婚指輪のデザインで重視したのは「シンプルで清楚なデザインであること」が65.8%と最も多く、次いで「流行り廃りのないデザインであること」が28.0%、「重ねづけができるデザインであること」が26.8%でした。(全国(推計値)・複数回答可)。結婚指輪にはシンプルで飽きのこないデザインを求める方が多く、婚約指輪との重ね着けができるデザインを選ぶ方も少なくないことが分かります。
結婚指輪のデザインは、普段使いのしやすさや婚約指輪との相性を考慮して選ぶのがポイントと言えます。
素材で選ぶ
指輪の素材は、見た目の印象はもちろん変質・変色のしやすさやサイズ直しが可能かどうかなど品質にも大きく影響します。長く美しさを保つためにも、結婚指輪は素材にこだわって選ぶことが大切です。
「ゼクシィ 結婚トレンド調査2024調べ」によると、結婚指輪の素材で最も多く選ばれているのはプラチナで、約7割のカップルが選んでいるという結果になっています。次いで、ゴールド(ホワイト、ピンク含む)が約1割となっています。コンビ(プラチナとゴールド)も含めると、全体の9割以上がプラチナとゴールドの結婚指輪を選んでいることになります。
プラチナは、変質・変色しにくいという特徴があります。一方、ゴールドは純度によっては強度も高く、混ぜる金属によってさまざまな色味を表現できるという特徴があります。素材の特徴を知って長く美しさを保てる指輪を選ぶと良いでしょう。
ブランドで選ぶ
一生ものとして長く身に着ける結婚指輪は、確かな品質を選びたいものです。そのため、結婚指輪を選ぶ際はブランドも重視される傾向にあります。また、結婚指輪は購入したお店でアフターサービスを受けられることが多く、定期的なメンテナンスに通うこともあるため、信頼できるブランドを見極めることも重要です。
「ゼクシィ 結婚トレンド調査2024調べ」によると、結婚指輪の購入店舗で最も多いのは「(路面店など)独立した店舗の国内ブランドショップ」で34.9%、次いで「百貨店内の海外ブランドショップ・コーナー」が16.3%でした(全国(推計値))。店舗の形態を問わず国内ブランドショップで購入した人は52.3%、海外ブランドショップで購入した人は25.7%で、全体の半数以上は国内のブランドショップで結婚指輪を購入していることが分かります。
結婚指輪をブランドで選ぶ際は、品質やアフターサービスの内容も参考にしながら選ぶと良いでしょう。
結婚指輪選びのために押さえておきたい3要素
結婚指輪を選ぶ際は、デザイン・素材・サイズの3つの要素をチェックすることで自分に合った指輪を見つけやすくなります。以下では実際の商品写真も参考にしながら、結婚指輪選びの際に押さえておきたい3つの要素について詳しくご説明します。
①デザイン
結婚指輪のデザイン例は以下の通りです。
(シンプル+αのデザイン例)
結婚指輪は日常的に身に着けるものであることから、シンプルで飽きのこないデザインが良いと考える方も多いでしょう。シンプルさを保ちながらも、リングの形状やライン、メレダイヤモンドの配置などによって個性をプラスできるデザインはたくさんあります。長く着用していくものだからこそ、シンプルな中にも思い入れを持てる、お気に入りのデザインを探してみるのもおすすめです。
【CANAL(キャナル)】
アンティークな建築が建ち並ぶ町並みをイメージしたキャナルは、着け心地の良い細身で柔らかな甲丸のアームが魅力です。シンプルなフォルムながら、贅沢にあしらわれた5石のダイヤモンドが優美な輝きを放ちます。
【GREAT HILL(グレートヒル)】
NY・セントラルパークにある丘の名前を、丸く柔らかなフォルムに重ねたグレートヒル。揃いのリングデザインを向かい合わせ重ねることで、「無限に続く愛」を表現しています。立体的にあしらわれた9石のダイヤモンドが華やかさをプラスしています。
【 REMBRANDT (レンブラント)】
「光と影の天才」と呼ばれた画家の名を冠したレンブラント。雲の切れ間から光が差す「天使の梯子」を、斜めのシャープラインで表現し、四本のラインにメレダイヤモンドが寄り添います。
(参考)結婚指輪はシンプルが一番?普段使いに最適なシンプルなデザインの魅力からデザイン例まで幅広く解説
(指を美しく魅せるデザインの例)
「手指の形にあまり自信がない」「指をできるだけ長く綺麗に見せたい」といった希望がある方は、S字、U字、V字といったデザインを選ぶのがおすすめです。視覚効果で指を細長く見せることができるため、自分のコンプレックスをうまくカバーすることができるかもしれません。
【GLEN(グレン)】
ひねりを加えた動きのあるゆるやかなV字が特徴的なグレン。片側に敷き詰めたダイヤモンドが贅沢に輝き、エンゲージリングとの重ね着けにもぴったりのデザインです。
【(エコー)】
「山びこ」を意味するエコー。まろやかな曲線を描くU字アームで日々呼応し合うふたりの寄り添う姿を描きます。
【CREEK(クリーク)】
S字のウェーブラインであるがままの自然を流れる渓流を想起させるクリーク。ダイヤモンドが小川の清流のようにピュアな輝きを放ちます。
(華やかさやオリジナリティにこだわったデザインの例)
「職場の規則もないので、華やかなものにしたい」「ほかの人とかぶらないデザインが良い」という方もいるでしょう。その場合は、ダイヤモンドのあしらい方やリングの形状にこだわった、華やかさやオリジナリティのあるデザインを選ぶと満足度が高くなるかもしれません。
【GRACIOUS(グレイシャス)】
プラチナの質感を楽しめる厚みのあるリングが特徴的なグレイシャス。20石のメレダイヤモンドが敷き詰められ、華やかながら繊細でエレガントな印象を与えます。
【IVY(アイヴィ)】
ダイヤモンドにプラチナを編みこんだような、繊細で立体的なデザインが個性的なアイヴィ。エンゲージリングとの重ね着けで、さらにスタイリッシュになります。
②素材
続いて検討したいのは、素材です。結婚指輪は長く指に触れるため、 「自分の手指や肌との相性」が良い素材を選ぶ必要があります。
金属アレルギーの可能性がある方は、特に細心の注意を払って選びましょう。見た目のデザインだけで選んであとからアレルギー反応が出てしまった場合、着用したくても着用できなくなる可能性があります。金属アレルギーがあり、プラチナやゴールドの着用が難しそうな場合は、チタンやジルコニウムなどほかの素材も検討してみると良いでしょう。
また、耐久性の高い素材を選ぶことも肝心です。結婚指輪は日常生活の中で着用するので、傷がついたり変色したりするケースもあります。
結婚指輪として人気の「プラチナ」と「ゴールド」は、どちらも耐久性に優れた素材とされています。ただし注意したいのは、純度です。同じプラチナやゴールドでも、純度が高くなるほど硬度は落ちてしまいます。混ぜる金属によっても品質が異なるため、結婚指輪を選ぶ際は素材の純度や割合もチェックしておくと良いでしょう。
(参考)結婚指輪の素材に関するお悩みを徹底解決!選ぶポイントや「夫婦別の素材にしてよいのか」など幅広く解説
③サイズ
結婚選びにおいて、とても重要な要素と言えるのが「サイズ」です。着け心地や見た目の美しさにも大きく関係するため、実際に試着して吟味することをおすすめします。
ポイントは、今の自分の指に「ぴったり」「しっくりくる」と感じられるサイズを選ぶことです。無理して小さいサイズを選ぶと、指にリングが食い込んで見栄えが損なわれてしまうだけでなく、抜けなくなることもあります。
一方、「最近体重が増え気味だから」と大きめのサイズを選ぶのも、リスクが高いのでおすすめできません。大きめの指輪は、指の根元でくるくると回転してしまいます。装飾の位置がずれて日常生活の邪魔になってしまうことや、気付かぬ間に落としてしまうことも考えられます。
サイズを測る際に注意したいのは、「むくみ」です。足と同様、指にもむくみが起こります。夕方や夜、お酒をたくさん飲んだ日の翌日などは、普段より指のサイズがアップしていることもあるので注意が必要です。指輪のサイズは1回の測定だけで済ませず、検討時や購入時、受け取りなどのタイミングで何度か測ってもらい、「ベストなサイズの結婚指輪になっているかどうか」をしっかり確認しておくのがおすすめです。
また、結婚指輪を購入する前には「サイズ直しができるかどうか」も確認しておきましょう。素材やデザインによっては結婚指輪のサイズ直しが難しく、断られるケースもあります。長く着用することを考えてサイズ直しができる指輪を選ぶと良いでしょう。
結婚指輪選びにおいて大切な5つのポイント
結婚指輪を選ぶ際は、以下の5つのポイントを考慮しましょう。
職場の着用ルールを確認しておく
結婚指輪は仕事中に着用するかどうかで選ぶデザインのポイントが大きく変わってきます。職場によっては、指輪の着用自体が認められていない場合や、シンプルなデザインのみOKとしている場合もあります。そのため、職場のアクセサリーの着用ルールを事前に確認してから結婚指輪を選ぶと良いでしょう。
一般的に、医療や飲食など「衛生面」が重視される職場、工場や建設現場など「安全面」が重視される職場、そして保育や介護、サービス系など「人に触れる」職場などでは、結婚指輪の着用が推奨されていません。ただし、職種によっては結婚指輪を着用しても良い場合もあるので、どの程度のデザインであれば良いのかを確認しておくのがおすすめです。
体を使う仕事や金属加工などの仕事をされている人は仕事中には結婚指輪を外す、もしくは傷や歪みに強い素材を選ぶことも検討してみると良いでしょう。
(参考)結婚指輪って職場でどうしてる? 仕事中のマナーや選ぶ際の注意点まで幅広く解説
着け心地にこだわる
指輪の着け心地は加工方法や指輪の幅などによって異なります。例えば内側を丸く削りなめらかな心地に仕上げている指輪は指に当たる部分が少なく、着け外ししやすくなります。指輪の幅や厚みによっても、指の圧迫感や手を握ったときの感覚が変わってきます。
初めて指輪を選ぶ方は、店頭で結婚指輪をどんどん試着してみるのがおすすめです。「これは自分の指にしっくりくる」「着けているのを忘れそう」と感じるような結婚指輪を選ぶことができれば、毎日快適に着用できるはずです。
パートナーに丸投げしない
結婚指輪は誓いの証でもあり、大切な記念品でもあります。そのため、結婚指輪を選ぶ際はパートナーに任せきりにせず、ふたりで選ぶことが大切です。
相手の価値観にもよりますが、「好きなものを選んで良いよ」などと丸投げしてしまうと、相手に無関心な印象を与え、せっかくの結婚指輪選びを楽しめなくなってしまう可能性があります。
予算に関しても一方的に決めず、ふたりで納得のいく価格帯のものを選ぶのがおすすめです。大切なのは、「一緒に相談して決める」という姿勢です。積極的に意見を交わしながら、ふたりで楽しんで選ぶようにしましょう。
似合うデザイン・ぴったりのサイズを選ぶ
ネットや雑誌などを参考に希望のデザインを選んでも、実際に試着してみると「自分の手にはいまいち似合わない」と悩むこともあるかもしれません。手が小さい、指が太い、関節がゴツゴツしているなど、手の特徴によって似合うデザインも異なります。洋服と同様、自分の手を一番美しく彩ってくれるデザインを選んだほうが、後々の満足度は高くなる可能性が高いと言えます。頭の中の理想に固執しすぎず、積極的に試着して自分に似合うデザインを探すようにしましょう。
友達の意見や世間の情報に流されすぎない
結婚指輪を購入する際は、友達の意見や世間の情報に流されないよう注意が必要です。「ふたりが幸せになるために選ぶ結婚指輪」であることを忘れず、パートナーと足並みを揃えて、譲歩できる部分は譲りながら一緒に決めていくのがベストと言えます。
仮に予算に限界があっても、オリジナルの刻印や、セミオーダー・フルオーダーといった方法によって、思い入れのある結婚指輪に仕上げていくことも可能です。ふたりでよく相談して、購入までの過程も幸せな思い出となるよう心掛けましょう。
結婚指輪の費用負担と納期について
以下では、結婚指輪を購入する際の費用負担と納期についてご紹介します。
費用負担
「ゼクシィ 結婚トレンド調査2024調べ」によると、結婚指輪(二人分)の平均購入金額は29.7万円でした(全国(推計値))。決して安くはない金額であるため、ふたりで費用をどう負担するかよく話し合って決めることをおすすめします。
結婚指輪を購入する際の費用負担は、「どちらか一方が全額支払う」「折半する」「お互いに贈り合う」「ふたりで貯めた結婚資金から支払う」が挙げられます。
どちらか一方が全額支払う
結婚指輪はふたりで身に着けるものですが、「自分がパートナーに贈りたいから」「婚約指輪を購入してくれたから結婚指輪は自分が購入したい」などの理由により、どちらか一方が全額を負担するケースも少なくありません。パートナーの貯金から全額を出してもらうと経済的に負担がかかってしまうので、ふたりで話し合ってから決めることが大切です。
折半する
結婚指輪の費用をふたりで折半するケースもあります。折半といっても、例えばふたり分の結婚指輪の購入金額が20万円だった場合、お互いに10万円を出すカップルもいれば、どちらかが多めに出すカップルもいます。結婚指輪を折半で購入するのであれば、きれいに割るのか、一方が多めに出すのかも話し合って決めるようにしましょう。
お互いに贈り合う
結婚指輪をお互いに贈り合うケースもあります。ただし、選ぶ素材やデザイン、リングの幅、ダイヤモンドの有無・数などによって結婚指輪の価格が異なり、金額に差が出ると「自分のほうが多めに支払っている」と不満を与えてしまいかねません。そのため、お互いに贈り合う場合は事前に予算を決めておき、設定した金額の範囲内で購入するようにしましょう。
ふたりで貯めた結婚資金から支払う
結婚指輪を購入する際、ふたりで貯めた結婚資金から支払うカップルもいます。この場合、ふたりの貯金なので「自分だけが多く支払っている」と不満を抱えることがありません。ただし、結婚資金は今後の生活費用や結婚式代、新婚旅行代なども含まれているので、使い過ぎないように注意が必要です。事前に結婚指輪に充てられる予算をふたりで話し合って決めておくと良いでしょう。
納期
結婚式を挙げる場合は、式に間に合うように指輪を用意する必要があります。検討時期が遅くなり、好きな結婚指輪を選べなかったというケースも、カップル間で起こりやすい問題のひとつです。結婚指輪が必要な時期までに手元に届くようにするためにも、オーダー方法による納期の違いを把握しておくと安心です。
既製品は当日〜1週間程度で受け取れる
デザインが既に完成している既製品は、最も短期間で入手できる方法です。サイズの在庫が店頭にあり、刻印などのオプションもつけない場合は当日に持って帰れる可能性もゼロではありません。「お急ぎの方向けの商品」を用意しているブランドもあるので、検討してみると良いでしょう。
セミオーダーは1〜2ヵ月程度要する
プロが作ったデザインをベースにしつつ、一部自分たちのオリジナリティを加えられるのが、セミオーダーです。デザインの内容やショップによっても異なりますが、納期の目安は注文から1~2ヵ月程度と捉えておきましょう。セミオーダーは「フルオーダーをするほど時間やこだわりがあるわけではないけれど、特別感を出したい!」というカップルに人気のオーダー方法です。
フルオーダーは2〜6ヵ月程度要する
プロのデザイナーに希望を伝え、いちから指輪をデザインしてもらうのがフルオーダーです。世界にたった一組だけの指輪を作れるのが最大のメリットですが、納期は最低でも2ヵ月以上、中には半年程度かかるケースもあります。時間に余裕があれば、検討してみると良いでしょう。
刻印は2週間程度
結婚指輪を購入後、ふたりにちなんだ文字や数字などを刻印することも可能です。刻印のサービスは最短2週間ほどで対応してもらえることが多いため、「時間がないけれどオリジナリティを出したい」という場合はぜひ検討してみると良いでしょう。結婚記念日やイニシャル、ひと言メッセージなどの刻印が人気です。
(参考)結婚指輪×刻印でさらなる特別感を演出!バリエーション豊富な刻印例をご紹介
まとめ
一生ものの結婚指輪は、自分たちの手に似合い、着け心地も良く、かつ特別な思い入れを感じられる指輪を選びたいもの。これから結婚指輪を購入する方は、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、自分たちに合った指輪を探してみてください。
更新日時:2025.05.30